年齢を重ねる中で、快適な暮らしのために不要なものはできるだけ手放していきたいですよね。「これまで持っていたこだわりを手放したら、暮らしがラクになりました」と話すのは、ライフオーガナイザーの高田舞子さん。今回は50代を前にして、高田さんが手放したらラクになったこと4つを教えてもらいました。

50代を前に、こだわりを捨ててラクになったこと

暮らしを整えるために、道具の外見にこだわることも多かった40代。50代を前にして気づいたのは、「見た目よりも続けやすさ」。見た目を重視した作業から、徐々に解放されています。

【写真】高田さんが現在愛用しているスポンジ

●スポンジの色

使う道具が多いキッチン。小さくてカラフルなアイテムが多いうえ、使う道具はひとつやふたつではありません。毎日必ず使用する場所ですし、片づけの難易度は高く、空間は雑多になりがち。数年前までは、スポンジもグレーや白など色にこだわって選んでいました。

過去使っていたスポンジはモノトーンでしたが、目が粗いため道具を傷つけるのでは? と気になり始め、使わなくなりました。

今は王道のスポンジを使っています。色も黄色にオレンジ、カラフルそのもの。

以前は、「色味をおさえることが心地よい空間につながる」と思っていました。無印良品や100均、通販サイトなどで条件にかなうスポンジを選び、キッチンから生活感を減らそうと意気込んでいた時期が懐かしい。

今は、ザ・スポンジにシフト。スーパーやホームセンターなど、どこでも購入できます。色味へのこだわりを手放したことで、購入のハードルが大きく下がりました。

食器洗剤はシンプルな容器に入れ替え、泡スプレーは外装フィルムを外したりはしていますが、食洗器用の洗剤は、パッケージもそのまま(プッシュの場所が家族にも明確にわかるため)。シンク周りは色とりどりに戻りましたが、気持ちの面でのざわつきは消えました。

スポンジの色よりも、「ゴミを残さない」「使用後はふき上げて水分を残さない」「使った道具は片づける」など、当たり前のことを継続すればきれいに保てることがわかり、ものへのこだわりは捨てました。

●油の入れ替え

以前は、オリーブオイルやごま油などの調味油は、オイル容器に入れ替えてコンロ付近に出しっぱなしにしていましたが、使わなくなって久しいです。筒状の容器を奥まで洗うには工夫も要りますし、乾燥にも時間がかかります。入れ替え時の消毒も面倒。

当時は面倒くささよりも見た目に優先度があり、苦だと感じなかったのですが、今は継続しにくさが勝ち、入れ替え作業を手放しました。ただ、空間が雑多になるのはいやなので、コンロすぐの引き出しに収納しています。

●しょうゆさし

食卓に便利なしょうゆさし。過去にいろいろなしょうゆさしを使ってきましたが、どれも満足できるものではありませんでした。しょうゆが垂れる、注ぎ口や溝に塩分が固まる。なので、少量をこまめに入れ替えることがルールとなり、洗う頻度も少なくはありませんでした。

しばらく使ってはみるものの、満足を得られないことも多々ありました。買い替えを検討するものの、ガラス製かプラスチック製か、サイズ感やコスパや見た目も意識すると、しょうゆさしを選ぶ条件は都度厳しくなり…。いったいどんなものなら合格点なのかわからなくなり、「いっそやめてしまえ!」と手放しました。

しょうゆを必要とする皿には、キッチンの作業台でかけてしまえばいいだけ。それでも食卓にしょうゆが必要なときは、ビンごと並べています。たいてい500ml程度のビンを買うので、食卓に出しても問題のないサイズ。もし大サイズの調味料の場合は、小皿に分けてスプーンを添えれば大丈夫。

●ティッシュのつめ替え

ティッシュ箱のパッケージも、カラフルなものが多いですよね。

「壁ピタ」なる100均アイテムでテーブル下に設置したこともありましたが、難点は市販のあらゆるサイズのものが合う、というわけではないこと。ぴったりと箱を挟めない場合も多く、ストレスを感じることもありました。そこで、過去使っていた無印良品のアクリルティッシュケースが復活。

以前は透明のアクリルケースに中身のみを入れ替えていましたが、細かいちりがつくのが気になっていました。

中身を出すとスタイリッシュには見えますが、今はストレスのほうが優位に。そこで、できるだけ色柄のないティッシュ箱を愛用するようになりました。箱ごと入れ替えるので衛生的にも安心です。

暮らしは毎日のこと。こだわりを持ちすぎると、維持が難しくなることも。年齢も家族構成も生活環境も変化するわけですから、自分にとってのルールも見直しが必要です。ものへのこだわりも柔軟に捉え直していきたいですね。