男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「一緒にいる時間が好き」と言ってきた女性。なのに3度目のデートで告白したらフラれたのはなぜ?




デートを終えた帰り道。次のデートの日程を決めたかった僕は、友美に聞いた。

「友美ちゃん、次はいつ空いてる?さっき話していた中目黒のレストランなんだけどさ…」
「あ〜…」

そう言うと、わかりやすく目が泳いだ友美。

「丈二郎さんごめんなさい。今手元に手帳がなくて、予定が分かり次第連絡…という感じでもいいですか?」
「うん、もちろん」

友美の反応を見て、乗り気じゃないことはすぐにわかった。

今年で40歳になる僕。無駄に期待を抱かないほうが自分も傷つかないことを知っている。

そもそもスケジュール管理はスマホだろうし、手帳を使っている20代の若者なんているのだろうか。

「じゃあ連絡待ってるね」

そしてもちろん、ここから友美から具体的な日程が送られてくることはなかった…。


Q1:食事会で垣間見た男性の特徴は?


友美と出会ったのは、僕の学生時代からの友人で、貴重な独身友達でもある修から「独身限定の飲み会があるから来い」と言われて、顔を出した食事会だった。

友美も大学時代からの友人と来ていて、僕たちはすぐに打ち解けた。

「僕と修は小学校からの友達で。九段下にある学校なんだけど」
「そうなんですか?すごいですね。仕事も一緒なんですか?」
「まさかまさか。僕は出版社で、修は代理店だよ」

今年で40歳になる僕と修。気がつけばもう修とは34年の付き合いになる。

「二人はいつからの友達なの?」
「私たちは大学からです」

友美もその友達も良い子で、この日僕たちは一軒目から盛り上がっていた。




「友美ちゃんは、普段どの辺で遊んでるの?」
「うーん。六本木とか、そのあたりが多いですね」
「え…」

遊んでいるエリアを聞くと、大体どういう子なのかわかる。六本木や西麻布界隈で遊んでいる子は、正直に言うとあまり好きではない。

「友美ちゃんって、まさかの港区女子?(笑)」
「私ですか?全然違いますよ〜!職場が六本木なんです」

純粋そうに見える友美。一瞬「これで港区女子だったら嫌だな」と思ったけれど、笑顔で否定してくれた。




「なんだ、良かった」
「お嫌いなんですか?そういう感じの女子が」
「うん。派手に遊び回っている子とか、自立していない子はダメかな。普通に考えて、男性のお金で遊ぶような子って嫌じゃない?」
「それはそうですよね」

妙に納得したような顔の友美。

「そういえば、友美ちゃんってお仕事は何をしているの?」
「私は弁護士事務所で秘書をしています」

堅い仕事をしていて、しかも可愛い。僕の苦手なタイプのギラギラ系女子でもなさそうだ。

僕は話していくうちにどんどん、友美のことが気になり始めた。

「友美ちゃん、良ければ今度二人でご飯行かない?」
「はい、もちろん」

こうして僕たちは二人きりで食事へ行くことになった。でもたった1回のデートで、どうやら「次はない」と判断されてしまったようだ…。


Q2:初デート以降、女が男の誘いに乗らなくなった理由は?


初デートは、外苑前にあるイタリアン『アントニオ』にした。

「ここのお店、有名ですよね!来てみたかったんです〜」
「この店、昔から好きで。実は両親も好きだから、よく一緒に来るんだよね」
「さすがブルジョワ…。丈二郎さん東京ご出身ですもんね。東京のどこなんですか?」
「僕は世田谷のほうだよ。友美ちゃんはどこだっけ?」
「私は名古屋です」
「名古屋なんだ」
「丈二郎さんって、本当に『東京のいいところで育った感』が溢れ出てますよね」
「そんなことないよ!」

お互いのことをまだあまり知らないし、モチモチの生地が美味しい「アントニオスペシャル」を食べながら身の上話で盛り上がる。




そして今日の初デートで、「友美のことをもっと知りたい」と純粋に思った。

「友美ちゃんは、何でこんな可愛いのに彼氏がいないの?」
「え〜何ででしょう…。丈二郎さんは?今どなたかいらっしゃるんですか?」
「僕?いないよ!結婚もしたことないし。戸籍はピカピカに綺麗だよ(笑)」
「はは。そうなんですね」

周りは最近結婚している人ばかりで、いよいよバツナシ独身男が少なくなってきている。

僕にだって結婚願望はあるし、友美ともしこの先進んだとしたらちゃんと将来も考えたいと思っている。

「でも丈二郎さんみたいな育ちだと、親御さんとか結婚する相手に対して厳しくないんですか?」
「僕の家はまったく。そこまでの家柄でもないし、基本的に何でもOKだよ」




目の前に座る友美は、今年で30歳になると言っていた。だから結婚の話が出てきたのかもしれないと思い、さりげなくアピールはしてみる。

「ただ結婚願望はあるんだけどね。友美ちゃんはどういう男性が好きなの?」
「私は優しくて包容力のある人です。丈二郎さんは?」
「僕は清楚で品がある人かな。育ちが良い人が好き。その点でいうと女子アナとかいいよね」
「女子アナか〜。男性はみんな好きですよね」

友美もどちらかというと、そっちの系統に入ると思う。清楚な感じがするし、育ちも良さそうだ。

「でもお仕事的に、丈二郎さんはそういった方々との出会いとかありそうですけど」
「あるけど、仕事で一緒になった人は対象外かな。あとみんな実際に会うと、意外に普通の子たちだよ。女優さんとかも含めて」
「女優さん!誰に会ったことあるんですか?」

友美が身を乗り出してきたので、仕事をしたことのある有名人の名前をいくつか挙げてみる。すると友美は目を輝かせている。

「丈二郎さんって本当にすごいですね!」
「いやいや、全然だよ」
「でもかなり目が肥えてそう」
「まぁ人よりは肥えているかもね…。でも交際するなら意外にSNSとかやっていない人もいいかなと」
「やっていても鍵垢とか?」
「そうそう。いいね、鍵アカ!」

そこからSNSで煌びやかな生活を自慢する女性の“あるある”を二人で出し合い、すっかり盛り上がってしまった。

「友美ちゃんって面白いね」
「丈二郎さんのほうこそ」

話も盛り上がるし、友美には嫌な点が何もない。だからこそ次ももう一度デートをしたいと思った。

でも誘ったものの、友美からの返事はないし次もやってこなかった。

東京出身の育ちが良さが嫌だったのだろうか?初デートで結婚の話が出たから重かったのか?

いろいろ考えるけれど、結局答えが出ていない僕だった。

▶前回:“勝ち確定“の勝負だったはずなのに…自分に対して好意を持っていたはずの女に振られた理由

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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女が一度のデートで男性からの誘いに乗らなくなった理由