「息子よ。幽霊の悪魔をお父さんの部屋で乾かすときは事前に報告するように。」

そんなどこか切実さを感じる呼びかけと共に投稿された写真が、X(ツイッター)上で注目されている。

こちらは、神戸で営業しているアイシングクッキー店・黒のれん製菓(@kuronorenseika)さんが、2023年8月3日に投稿した写真。タオルにくるまって置かれているのは、両目と口が縫い付けられている青白い顔に、花に包まれた胴体、一本だけの足、と不気味な見た目の人形だ。

漫画好きな読者の皆さんはもうお気づきかもしれないが、この人形のモチーフは人気マンガ「チェンソーマン」に登場する「幽霊の悪魔(ゴースト)」だ。かなり再現度が高い......!

いきなり部屋にこれが置いてあったらさぞびっくりするに違いない。

リアルすぎる「幽霊の悪魔」に対し、X上ではこんな声が寄せられている。

「これは絶叫!」
「失礼ながら呪物に見えてしまう笑」
「めっちゃ似てる、上手。突然部屋にあったら怖いけど」

Jタウンネット記者は9日、投稿について黒のれん製菓さんに話を聞いた。

「正直、悲鳴をあげました」

黒のれん製菓さんによると、「幽霊の悪魔」は中学2年生の息子・ヤマモトカンタ(@fLBn3GjlwPYSSvK)さんが製作したもの。

カンタさんは美術部の活動で粘土造形に興味を持ったことをきっかけに、好きなキャラクターである「幽霊の悪魔」を製作中とのことで、その製作工程の様子はSNSでも投稿している。

黒のれん製菓さんが、そんなカンタさんの力作と出くわしてしまったのは3日の21時過ぎのことだ。

食事を終えて自室に戻り電気を点けたところ、投稿写真の状態の人形が置いてあり、非常に驚いたと語る。

「私は息子がこの人形を作っていることは知らなかったので、正直、悲鳴をあげました。『幽霊の悪魔』はそもそも怖いキャラクターですが、完成前のこの状態はなんとも不気味で困惑しました。
人形の足を接着して乾燥させる際に、除湿機が置いてある私の部屋に妻が気を利かせて移動させたのが今回の原因です」(黒のれん製菓さん)

その後、粘土の人形であることに気付いた後は笑いが込み上げたといい、「この気持ちをみんなに共有してもらおう」と思い、写真を撮影して投稿するに至ったとのことだ。

なお、カンタさんよりも前に黒のれん製菓さんが乾燥中の写真をSNSに「フライング」で投稿してしまったそうで、カンタさんには注意を受けてしまったのだとか。

「ただ、投稿がウケたので今は喜んでいます。今回こうして取材していただけていることにも非常に喜んでいます」(黒のれん製菓さん)

将来は模型メーカーの造形師になるのが夢だというカンタさん。父のみならず多くのユーザーを驚かせたその技術力は今後もより一層磨かれていくことだろう。これからの作品も楽しみだ。