この夏、チェックしておきたい! カレーの人気店が仕掛ける新店が続々オープン

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連載「今週のカレーとスパイス」でお馴染み“カレーおじさん \(^o^)/”が、ひと月に食べたカレーとスパイス料理を振り返る月イチ企画。2023年7月は、カレー&スパイス料理マニアの間で人気のお店が手がける新店が続々登場!

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【カレーおじさん\(^o^)/の今月のカレーとスパイス】2023年7月を振り返る

夏真っ盛り! カレーがおいしい季節ですし、夏バテ予防のためにも普段以上にカレーを食べておきたいところです。ちなみに毎食カレーを食べている僕ですが、毎食カレーを食べるようになってからは一度も夏バテをしたことがありません。これはきっとカレーのおかげだと思います。

そんな真夏のカレーとスパイスは、複数の店舗を展開している、あるいはしていたお店の新店舗という形でまとめました。

南インド料理ファンおなじみの名店が大門に新店舗オープンデリバリーメインで展開中のお店が東京駅前にイートイン店をオープン所沢の隠れた名店的スリランカ料理店が隣駅のすぐ近くに2店舗目をオープン都内各地で大人気でありながら全店舗閉店してしまった羊料理店が復活!

以上です。

食欲が無い時でもスパイスの香りをかぐと不思議と食欲がわいてくるもの。夏バテ予防にも熱中症予防にも、カレーは効果的ですよ!

【第1週のカレーとスパイス】ランチにもスパイス飲みにも使い勝手良し! 南インド料理界の雄「アーンドラ・ダイニング」が大門に登場

大門駅からも浜松町駅からも近い場所に「アーンドラ・ダイニング 大門」が6月22日にオープンしました。こちらのシェフは数々の名店の料理長を務め、日本において南インド料理を広めたと言っても過言ではないレジェンドシェフ。御徒町の「アーンドラ・キッチン」を皮切りに「アーンドラ・ダイニング 銀座」を構え、その後「アーンドラ・ダバ」(直営ではなく親戚による姉妹店的立ち位置)など、都内各地に展開してそれぞれ人気店となっているのですが、最近ではアーンドラ・ダイニングの名前でお店を増やしており、その中で渋谷に続いて大門店がスタートしたという流れ。

GEMSという飲食店が多数入ったグルメタワーの4階にお店があります。店内に入ってみると渋谷店にも似たレイアウト。ソファーも座り心地が良く、高級感ある雰囲気です。

夜のメニューは色々とある中、最初ですから「アーンドラミールス」2,250円のノンベジタリアンをいただきました。さまざまなカレーやおかずがバスマティライスを取り囲む南インド定番の定食です。

「アーンドラミールス」

ノンベジミールスは骨つきチキンのうま味とスパイスの香りが調和したシャバッとしたテクスチャーのチキンカレーに、玉ねぎの甘味がインパクトあるセミドライタイプの海老カレー、そしてマイルドでサラサラでありながらもしっかりと印象に残るマトンカレーの3種に、サンバル(南インドの野菜カレー)、ラッサム(酸っぱ辛いスープ)、ポリヤル(野菜のココナッツ炒め)というミールス定番のアイテム。そしてピックル(辛いピクルス)にパパド(豆せんべい)、ライスにチャパティ(薄焼きのインドパン)という豪華なワンプレートなのですが、この日はチャパティの代わりにバトゥーラ(インドの揚げパン)がのるスペシャルバージョンでした。

それぞれ一つ一つ味わっても当然おいしいのですが、混ぜていくとおいしさのグラデーションが生まれていくのがミールスの醍醐味ですから、ターリ(大皿)からカトゥリ(小皿)を取り出し、バナナリーフの上でご飯と少しずつ混ぜながら食べるのが良いでしょう。

アーンドラグループの料理で僕が特に好きなのはラッサム。他店舗のラッサムと違うのは、ほのかに、かすかに、うっすらと甘味を感じること。それがうま味となって、ラッサム単体を飲むだけでもしみじみとじわじわとおいしさが身体に染み渡っていくような気分になるのです。他にありそうで無い仕上がり。大門店のラッサムは本店的立ち位置である銀座店のラッサムと比べるといくらかシンプルかつワイルドな印象を受けましたが、それでもやはり根幹はアーンドラグループのテイストであり、いずれにしてもおいしいのです。このほんの少しの差を食べ比べるのもまた楽しいことでもあります。

チャパティの代わりのバトゥーラもそれぞれのカレーと相性が良く、チャパティ以上に食べ応えもあり、満腹感を高めてくれるものでした。ミールスはバスマティライス、サンバル、ラッサムはおかわりができるのですが、おかわりせずとも十分な量であり、満足できる味。

「マサラチャイ」

せっかくなので食後に「マサラチャイ」300円も。これを飲みながら、ミールスの余韻に浸る時間がまた堪りません。

今回は一人で行ったのでミールスのみでしたが、また何人かで行ってさまざまなアラカルトも楽しみたいお店です。「マトン ヴェプドゥ」「ゴビマンチュリアン」など、おつまみになるような料理が沢山あり、実は飲み利用にも使えます。ただカレーだけと考えず、仲間と共に気になる料理を色々と楽しむも良し。一人であればミールスを堪能するも良し。昼も夜も使えるお店ですよ!


<店舗情報>
◆アーンドラ・ダイニング 大門
住所 : 東京都港区芝大門1-15-3 GEMS大門 4F
TEL : 03-6809-2158

【第2週のカレーとスパイス】リーズナブルさも魅力! 宅配で人気のカレー店が丸の内に新実店舗をオープン「TOKYO MIX CURRY KITTE丸の内」

デリバリーやテイクアウトメインのカレー店として各地に店舗数を増やしている「TOKYO MIX CURRY」が、東京駅前のKITTE地下にイートイン可能な新店舗をオープンしました。

カレーは家ではなくお店で食べたいと常々考えている身としては、気になっていながら未だ食べていなかったTOKYO MIX CURRYのカレーを味わうチャンスとばかりに行ってきました。

オーダーは各席に設置されたタッチパネルで行います。現金精算不可で、各種カードなどでオーダーの際に会計も行う仕様。メニューはシンプルなチキンカレーにキーマカレー、副菜が色々とのったものやあいがけなどありましたが、気になったのが米なしロカボ。ご飯の代わりにコールスローが盛り付けられたカレーに副菜がのったものです。

「米なしロカボ」に「豚の黒キーマ」をトッピング

この「米なしロカボ」990円に「豚の黒キーマ」165円をトッピングして注文。

メインのチキンカレーはシャバッとした口当たりで、スパイスの香りとうま味が調和したバランスの良い仕上がり。だしは鶏ガラ、魚粉を使い、隠し味にみかんやレモンの果汁も使った個性派です。

トッピングした黒キーマは粗挽きの豚肉に黒胡麻。リンゴ酢を使うことによって重くならず、こちらもやはりバランスの良い仕上がりでした。

デリバリーメインのチェーン店ですから、マニアを狙うということではなく、多くの方にわかりやすい最大公約数を狙ったスパイスカレーとしてかなり出来の良いものだと感じました。

ご飯のかわりのコールスローはどうだろうと思っていたのですが、こちらは予想以上に違和感も無ければ塩気も控えめであり、食べやすくて良いです。副菜もマスタードシードが香るオクラ生姜や、醤油やワインに漬けたというスパイス煮卵などがのり、食べ応えも十分。

カロリーは通常のものと比べるとロカボの方が約150kcal低く、糖質は約60g低いとのことで、ダイエットカレーとしてもうれしく、クオリティの高いものでした。

また、このエリアにおいてこの価格はかなりリーズナブルです。さらに非接触オーダーと会計なのですが、配膳の際や退店時のにこやかな声かけがあり、味のみならず飲食店のサービスを受けたという満足感も得られました。

イートイン可能店舗は現在他にアークヒルズ店など少しずつ増やしており、KITTE丸の内店の反応次第ではさらに増やしていきたいとのこと。老若男女さまざまなニーズに応えられるお店だと思うので、広がっていくと良いなと思います。

チェーン店だからこそのリーズナブルさと、チェーン店ではなかなか難しい味のクオリティをどちらも達成できているのは企業努力の賜物です。

アクセスの良い東京駅前の地下であり、途中休憩なしの通し営業ということで、何かの用事のついでに立ち寄りやすいお店ですよ。


<店舗情報>
◆TOKYO MIX CURRY KITTE丸の内
住所 : 東京都千代田区丸の内2-7-2
TEL : 不明の為情報お待ちしております

【第3週のカレーとスパイス】気軽に電車でも行ける! 埼玉の隠れたスリランカ料理の名店「ラジャラタ」が駅近に2号店をオープン

埼玉・所沢のスリランカ料理店「ラジャラタ」。航空公園駅から歩くと20分少々かかるような位置にあり、車がないと行きにくいということもあってマニアでもなかなかたどり着きにくいお店ですが、本格的なスリランカ料理を楽しめる隠れた名店だと思っています。

そんなラジャラタが隣駅の新所沢駅のすぐ近くに2号店をオープンさせたと聞いて行ってきました。お話を聞いてみると「本店では、スリランカカレープレートがメインのランチに加えて、夜はスリランカ料理をつまみにお酒も楽しんでほしいのですが、車じゃないと行きにくいこともあってなかなかお酒の提供が難しく、駅近のお店を出すことによってお酒と一緒に楽しんでいただくなど、よりスリランカ料理を身近に感じてもらえたらと考えて新しくお店を出しました」とのことでした。

夜も気になりますが今回行ったのはお昼なのでお昼のメニューをご紹介します。小さなお店ですが明るくて開放感があり、入りやすい雰囲気です。

ランチのBセット

いただいたのはランチのBセット+セイロンミルクティー(1,600円)。Aがチキンカレー、Bがポークカレーのワンプレートとなっており、パリップ(豆カレー)、日替わりの野菜カレーが2種、ポルサンボル(スリランカのココナッツふりかけ)、カトレット(スリランカのフィッシュコロッケ)が彩り良くご飯の周りを囲み、ご飯の上にはバナナの蕾のふりかけがあしらわれ、別皿でサラダ、パパダン(豆せんべい)、メインの肉カレーがつく豪華なランチです。

この日の野菜カレーが、鮮やかなビーツと四葉きゅうりのカレーという面白い組み合わせ。カレーと言ってもそれぞれ優しい味わいで、メインの肉カレーと合わせて混ぜながら食べることによっておいしさが増していく名脇役です。

ポークカレーは程よいスモーキー感とスパイシー感で豚のうま味と甘味を感じられ、サラッとした口当たりなので他のカレーやおかずともよく馴染みます。バナナの蕾のふりかけが甘辛くて良いアクセントとなっており、このお店の個性が感じられるのが良いですね。

セイロンミルクティーとワタラッパン

食後に紅茶の産地としても有名なスリランカのセイロンミルクティーを。せっかくですから「ワタラッパン」400円も合わせましょう。ワタラッパンとはスリランカのココナッツプリン的な料理なのですが、サトウキビやヤシ由来のナチュラルな甘さと香りが心地よく口内に広がり、幸せな気持ちになれます。

穏やかに香る紅茶との相性も抜群。やはりおいしいカレーの後に食べるおいしいスイーツは最高です。インドやスリランカのミルクティーはホットの方が良い香りとなるので、暑い日でもホットがおすすめ。その分、店内は涼しい温度になっています。

お店を切り盛りするのはスリランカ人女性でしたが、日本語が堪能なので慣れていない方が一人で行っても安心。所沢エリアでスリランカ料理入門編としてはもってこいのお店です。スリランカは暑い島国。今年の夏は暑い日が続きますが、だからこそスリランカ料理が特においしく感じられるとも言えます。

本店、そして新所沢の2号店、さらにはイベントやキッチンカー出店も勢力的に展開しているお店。昼はカレー、夜はコットゥやエッグホッパーと共にスリランカのビールを楽しむも良し。いずれにしてもスリランカ料理ファン、そして所沢のスパイス料理ファンは要チェックですよ!


<店舗情報>
◆ラジャラタ 新所沢店
住所 : 埼玉県所沢市緑町1-19-16 ルミアン第二ビル 1F
TEL : 未開通

【第4週のカレーとスパイス】夏はスパイシーな羊料理がうまい! 元祖・ひつじやが四谷の地で完全復活「元祖Bistroひつじや」

まだ東京において羊肉を食べることが一般的ではなかった30年以上前に代々木でスタートし、羊のみならず各国料理が充実したメニューの数々で、羊好きにも、お酒好きにも、スパイス料理好きにも愛され、都内各地に店舗数を増やしていた「ひつじや」。

僕もそのファンであり、各地のひつじやで飲食を楽しんでいてそれぞれ人気もあったように感じていたのですが、突然の全店舗閉店。驚きと悲しみを感じていたのですが、四谷の地で「元祖Bistroひつじや」としてこの度完全復活しました! めでたい! うれしい!

その経緯や「元祖」がついたことなど気になることが多いのですが、それは最後にまとめるとして、まずはその魅力的な料理からご紹介しましょう。

「ひつじのレアステーキ」

最初は名物の「ひつじのレアステーキ」770円(Sサイズ)から。ほぼ刺身と言っても差し支えないようなレア加減。まわりにほんの少し火が入ることによって羊の味の輪郭がより感じられます。羊肉というと苦手なイメージを持っている方も少なくないと思いますが、ここの羊はそのイメージをくつがえす嫌味のないフレッシュな味わいで肉質の良さを堪能できます。

「セルティア」

続いてブリックと呼ばれる「チュニジアのぎょうざ」780円をチュニジアのビール「セルティア」520円と一緒に。ひつじやは世界各国の料理とお酒があるのも魅力的なところです。

「チュニジアのぎょうざ」

羊の挽肉に半熟卵とチーズが入ったブリックは期待通りのおいしさ。爽やかなチュニジアビールとよく合います。この料理、今でこそ日本各地で時折見かけるのですが、元はといえばやはりひつじやから広がった料理だと言えるでしょう。

「カリフラワーブジヤ」

どんどん行きますよ。続いては「カリフラワーブジヤ」720円とひつじや名物「マトンアサード」980円。ブジヤはインド料理。カリフラワー、じゃがいも、オクラというインド料理おなじみの野菜のカレー炒め的なものでお酒も進みます。

「マトンアサード」

アサードはスペイン語で焼いたものというような意味で牛肉を使われることが多いのですが、ひつじやではマトンであり、西インドの調理法もミックスさせた特別版。じゃがいも、トマト、そしてマトンのカレーソース的なものが重ねられた料理で、おいしいカレーを食べたような気持ちになれる満足度の高い料理です。

「ベンガルスタイルサバカレー」

と言いつつもやはりちゃんとカレーも欲しいという方には「ベンガルスタイルサバカレー」880円を。酸味の利いたサラッとしたカレーはインド版アクアパッツァのようにも感じられる料理で、白ワインが合います。

ワイン(ハーフ)

しかも、ひつじやセレクトワインを選べばハーフ(420円)でこの量。お酒もすすみ、料理もすすみ、食欲が止まりません。

あぁ、やっぱり最高! これこそがひつじやですよ。

突然の全店舗閉店から四谷の開店と、店名に元祖がついたことなど、お店の方にうかがってみると「コロナ禍による客数の激減、原材料費の高騰に加え、6店舗経営していく中で多数の外国人シェフを雇っていたのですが、ビザ関連の法律が変わったことにより、簡単に言うと人件費が急激に増えてしまったこと、この3つが重なって残念ながら倒産、閉店となりました。しかし長年お店を構えていたことによる古い付き合いもあり、色々な方が応援してくれたのもあって元オーナーの奥様の手によって復活。その際に、やはり色々な方から紛らわしいお店もあるから元祖をつけたらどうかと提案をいただき、つけることにしました」とのことでした。

確かにひつじやという店名は数多くありますし、ひつじや出身シェフが独立してひつじやのメニューをそのまま出しているお店も少なくありません。お店の方は「元々羊料理を広めたくてスタートしたので羊料理が広まってくれるのはうれしいことなのですが、あまりにも似ているお店があると古くからのお客様を混乱させてしまうので元祖をつけました」と語ってくれたように、ひつじやこそが東京における羊料理の先駆者であり、まさに元祖と言って差し支えない存在です。

腕利きのインド人シェフがいることから今後インド料理が増えていく予定だそうで、インド料理ファンにとっても今後が楽しみ。既に連日満席近い人気となっているので予約推奨。各地のひつじやにそれぞれ常連がついていたかと思いますが、まずは四谷で復活の祝杯をあげましょう!


<店舗情報>
◆元祖Bistroひつじや
住所 : 東京都新宿区四谷三栄町1-2 四谷Xeビル B1
TEL : 03-5357-7583

※価格はすべて税込です。

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部

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