左目の痛みと充血を訴え、眼科を訪れたトルコ東部ビトリス県タトワンに住む10歳男児。医師は左目の瞼の裏からハエの幼虫11匹を摘出した(画像は『Haber Global 2023年7月6日付「10 yaşındaki çocuğun gözünden 11 sinek larvası çıkarıldı」』のスクリーンショット)

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トルコ東部ビトリス県に住む10歳男児の左瞼の裏から今月上旬、11匹のハエの幼虫(ウジ)が摘出された。男児は目の不快感を訴えており、眼科医が診察したところ、瞼の裏に蠢く幼虫を発見したという。英ニュースメディア『The Daily Star』などが伝えた。

トルコのビトリス県タトワンに住む10歳男児が現地時間5日、左目の充血や痛みを訴え、両親とともにタトワン・ステート病院を訪れたところ、左目の中にハエの幼虫(ウジ)が発見された。

眼科のハリール・イブラヒム・アテショーグル医師(Dr. Halil İbrahim Ateşoğlu)は地元メディアに「患者の左目を検査したところ、瞼の裏で幼虫が動き回っていた。細隙灯顕微鏡で確認して摘出し、消毒した」と明かしており、初日に8匹を摘出して抗菌点眼薬を処方し、さらに翌日には3匹を摘出した。

男児は「2日前、ハエが左目に飛び込んできた」と話したそうで、すでに治療を終えている。

男児が感染したのは、ハエの幼虫(ウジ)が生きた哺乳類の体内に侵入して起きる「ハエウジ症」だった。これはハエの成虫が誤って目に飛び込んだり、汚染された手で目に接触することで幼虫が寄生するという。

感染の直接の原因となるのは、ミツバチよりも小さく、ヤギやヒツジの鼻孔などに寄生するヒツジバエの幼虫がほとんどで、畜産農家、農場や川の近くに住む人などが感染しやすいという。また幼虫の体にはトゲがあるため、寄生した目の中で動き回ると痒みや充血、腫れ、ひどい場合は視力にも影響を及ぼすそうだ。

眼科専門の英文ジャーナル『BMC Ophthalmology』によると、ヒツジバエの幼虫が引き起こした目のハエウジ症は1918年から2017年までで295件報告されているという。

アテショーグル医師は「夏の時期は、ハエが目に入ることはよくあること」と語り、ハエと接触後、充血や痒みなど通常と違う症状が出た場合には、すぐに医師の診察を受けるようにアドバイスした。

ちなみに過去には、フランスの53歳の男性の目からヒツジバエの幼虫12匹以上が摘出されていた。男性はガーデニング中に何かが目に飛び込んでくるのを感じ、それ以来目の違和感が取れずにいたという。

画像は『Haber Global 2023年7月6日付「10 yaşındaki çocuğun gözünden 11 sinek larvası çıkarıldı」』『MedyaTava 2023年7月6日付「10 yaşındaki çocuğun gözünden ne çıktı7」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)