法改正によって国立も私立も大学が崩壊しつつあるという。6月27日の「大竹まことゴールデンラジオ(文化放送)」では、『ルポ 大学崩壊』の著者でジャーナリスト兼ライターの田中圭太郎さんに大学の現状を語ってもらった。

田中「一般の方が知らない間にずいぶん大学の形が変わってきていまして、例えば国立大学でいいますと、昔は国立大学は国の大学でしたけど2004年に法人化、独立行政法人みたいなイメージですけど、国立大学法人という法人化で国とは切り離した組織になったんですね」

大竹「はい」

田中「それは自由な研究ができたり、自主的な運営をするためだっていう建て前だったんですけど、実際は国が運営費交付金という補助金みたいなものを10年間にわたって減らし続けたんです。それによって国立大学の予算が細くなっていって研究費が十分に取れない研究室もたくさん出てきました」

大竹「大学っていうのは学生に教える以外にも色んな研究をしたりするんだけど、その研究費が削られている」

田中「さらに専任の教授や先生の人数が減らされて非常勤の教職員が異常に増えている。そして、その方々が解雇される事態が起きている。そんなふうに教職員の立場がずいぶん弱くなってしまった。それにより学生にも悪い影響が出ているんです」

大竹「はい」

田中「私立でいうと同じ2004年に私立学校法というのが改正されまして、それまでは学長と理事長は対等な立場でうまく運営していたんですけど、法律上、理事長のほうが権限がある、法人のトップであると位置づけたんですね」

大竹「学長よりも?」

田中「そうすると中には理事長の意のままに大学を変えていきたいという人も出てきて教職員との間にトラブルが増えていった」

大竹「理事長って何する人なんですか?」

田中「経営者ですね。学校法人の経営者です」

大竹「理事長が学長よりも強い力を持つと経営のほうばかりに力を入れてしまうということですか?」

田中「それだけならいいんですけど、教授たちの声を聞かなくなった大学がいくつかありまして」

小島慶子「有名な事件にもなった例ですと日本大学がありますよね」

田中「そうですね」