口腔アレルギー症候群の症状や原因、治療法とは?

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お酒を飲むと体に赤い斑点ができるのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

監修医師:
金子 緑

2011年新潟大学医学部を卒業。初期臨床研修を終了後、複数の病院勤務やクリニック院長を経 て現在はクリニックで内科医として勤務している。日々幅広く患者さんの相談に乗り地域医療の 貢献に努めている。日本内科学会所属。

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状で考えられる病気と対処法

お酒を飲むと、たまに体中がまだらに赤くなる人がいると思います。もともとお酒に弱く、飲酒することで顔や身体が真っ赤になる人はいますが、それとは別に病院受診が必要な危ないケースもあります。今回はどのような場合に病院を受診すればよいか解説をしていきます。

お酒を飲むと体に赤い斑点ができる症状で考えられる原因と対処法

アルコールには血管を広げる作用があります。そのため、お酒を飲むことで体の血管が拡張し皮膚に赤い斑点のようなものがみられることがあります。これはアルコールによる一時的な作用が原因であるため、赤い斑点に対しては緊急の処置等は必要ありません。ただし、この時点でかなりの量のお酒を飲んでいる可能性があります。飲みすぎであればお酒を控えて水分を取り、今後は飲酒量を調整することが必要になります。
また、一時的なものではなく、ずっと赤い斑点が出続けているのであれば、別の病気である可能性があるため注意が必要です。

お酒を飲むと痒くないが体に赤い斑点ができる症状で考えられる原因と対処法

お酒を飲むと赤い斑点がでたものの、飲酒直後ではなく長期にわたる飲酒で出てきた場合は肝障害が関係していることがあります。特に胸などにクモの足のような形の斑点ができている場合はこれにあたります。お酒を飲みすぎると肝臓に負担がかかり、肝臓の機能が弱ることはよく知られています。肝障害が進行し、肝硬変となってしまった場合は、クモ状血管腫と呼ばれるような皮膚の血管が拡張したものや、手掌紅斑という手の赤みがみられることがあります。肝硬変が原因であった場合は肝硬変とそれに伴う合併症に対する治療が必要となるため、消化器内科へ受診しましょう。また、飲酒により肝臓の障害もどんどん悪くなってしまうため、飲酒はすぐにやめることが必要です。

お酒を飲むと急に体に赤い斑点ができて痒い症状で考えられる原因と対処法

お酒を飲むと赤い斑点ができ、それが急でありさらに痒みを伴っている場合は、アルコールアレルギーの可能性があります。アレルギーの場合は重症になれば、のどが腫れて詰まってしまい息ができなくなったり、血圧が下がって命に関わることもあります。はじめは症状がそこまでひどくなくても、あとで症状がひどくなってくることもあります。このような症状が出た場合は、すぐに救急病院へ連絡し、受診するようにしましょう。
また、緊急の処置などが必要ないレベルのアレルギー症状であったとしても、次にアレルギーが出たときに同じぐらいの症状で済むとは限りません。アレルギーを疑う場合は病院で検査を受けましょう。何のアレルギーなのか、アルコールに対するアレルギーがあるのかを自身で知っておき、アレルギーの原因を避けることが重要です。

すぐに病院へ行くべき「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

かゆみがある、喉が詰まった感じがする、声がかすれる場合は、救急科へ

上記のアルコールアレルギーの症状が出た時はすぐに病院を受診する必要があります。具体的には体の赤い斑点以外にも、痒みがある、のどが詰まったような感じ、急に声がかすれる、口など粘膜が腫れてくる、息がしにくくなるなどです。この場合は放置すると症状がひどくなり、のどが腫れて窒息に至ることもありますので、すぐに救急外来を受診する必要があります。特に呼吸がしにくい場合や声がかすれる場合は、窒息する直前の状態で一刻を争うこともあるので、ためらわずに救急車を呼んでください。

受診・予防の目安となる「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」ときのセルフチェック法

・お酒を飲むと体に赤い斑点ができる以外にのどの詰まった感じや息苦しさがある場合

・お酒を飲むと体に赤い斑点ができる以外にかすれ声になる場合

・お酒を飲むと体に赤い斑点ができる以外に目や口など粘膜が腫れぼったい症状がある場合

・お酒を飲むと体に赤い斑点ができる以外にかゆみがある場合

・お酒を飲むと体に赤い斑点が全身にできている場合

・お酒を飲むと体に赤い斑点ができる以外に目が黄色くなっている場合

・お酒を飲むと体に赤い斑点ができる以外に疲れやすくなってきている場合

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

肝機能の低下

アルコール性肝障害とは、長期の飲酒によって肝臓に負担がかかり肝臓の機能が低下した状態のことです。アルコール性肝障害の病状には程度の差があります。初期の段階であれば禁酒により改善しますが、最終段階であるアルコール性肝硬変になると、元の状態まで戻ることは困難です。肝臓の機能が低下すると、目や肌が黄色くなる、疲れやすくなる、食欲がなくなる、お腹が張るなどの症状が現れることがあります。ただし、肝臓は沈黙の臓器とも言われ、ダメージがあってもある程度耐えてしまうため、症状が出たときにはかなり障害が進行していることがあります。肝硬変ではホルモンの影響で血管が拡張しやすくなり、血管がクモの足のような形に見えることがあります。これをクモ状血管腫といいます。
このような赤い斑点ができている場合は、この時点でアルコール性肝硬変となっている可能性があります。前述の通り、肝硬変は元の状態まで治すことは難しいので、禁酒は必要です。長期間の禁酒で肝臓の機能も少し良くなり、飲酒を続けているよりも改善が見込めるといわれています。
また、どの程度肝臓が弱っているか調べたり、合併症などに対する治療も必要であるため、内科(消化器内科)への受診が必要です。

アルコールアレルギー

上記の通り、飲酒後すぐに体中がまだらに赤くなっている場合はアレルギー反応の可能性があります。アレルギーの場合は症状が悪化し、最重症となった場合は窒息や血圧の低下などが起こる可能性があります。一刻も早く薬を投与しなければならないため、すぐに病院を受診する必要があります。安静にして救急車を呼びましょう。
そこまで重症でなく、気が付いたら症状が消えていたという場合でも、再びアルコールを摂取することで症状が出現することがあります。さらに怖いのは、再び症状が出たときは前よりもひどくなる可能性があるということです。よってアレルギーを疑う時点で、それ以後はアルコールを取らないようにするということが重要です。
また、アレルギーがアルコールにより引き起こされているかどうかを判断するためにも、病院で検査を受け、原因を調べておいた方が良いでしょう。

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」ときの正しい対処法は?

お酒を飲んだ直後に全身に痒みを伴う赤い斑点ができてきた場合はアレルギーの疑いがあるため、すぐに病院を受診してください。アレルギーであった場合は、数分~数時間で重症となり、血圧が下がったり、息ができなくなったり、意識を失ったりすることもあります。少しでもおかしいと思ったら、迷わずに救急車を呼ぶようにしてください。また、症状が安定している場合、自然に収まった場合でも病院を受診して本当にアレルギーかどうか、何が原因のアレルギーかなどをきちんと調べて確定させておくことが重要です。アレルギーの原因は避けるようにしておきましょう。2回目のアレルギーが起こった場合に前回よりひどい症状が出る場合があり、最悪命に関わることもあります。
また、お酒を長期にわたり飲んでいて、クモの足のような赤い斑点ができてきた場合は肝障害が原因の可能性があります。肝障害が原因であれば、赤い斑点の他にも、体や目が黄色、疲れやすい、お腹が張るなどの自覚症状がある場合もあります。この場合はまず原因が肝障害なのかを調べ、その時点での肝臓の状態、合併症の有無を評価する必要がありますので、まず内科を受診して下さい。肝機能障害はなかなか自覚症状が出にくく、症状が出た場合は既に肝硬変などに進行している場合もあります。早めに気づくためにも、年1回は健診を受け、肝機能のチェックをしましょう。
これらの病気で共通して言えることは、病院で詳しく調べてお酒が原因でないと判断された場合以外は禁酒が必要ということです。

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

お酒を飲むと体に赤い斑点ができるときの対処法はありますか?

金子 緑 医師

飲み続けると悪化する場合があるので、その際にはお酒を飲むのを止めましょう。アルコールアレルギーである場合、2度目のアレルギー症状が起こる際には、前回よりも重症になることも考えられるので、早めに検査を受けるのが良いでしょう。

お酒を飲むと赤い斑点が出るのはアルコールアレルギーでしょうか。

金子 緑 医師

可能性はあります。かゆみや息苦しさなどの症状があれば、早めに医療機関を受診するようにしましょう。一時的な症状である場合には、後日に消化器内科を受診すると良いでしょう。

飲酒で赤い湿疹が出るのはお酒が飲めない体質なのでしょうか?

金子 緑 医師

その可能性はあります。アルコールアレルギーやアルコールの代謝酵素が不足している可能性が考えられます。

アルコールで痒み・湿疹ができるのは皮膚科で治療できますか?

金子 緑 医師

かゆみや湿疹については皮膚科で治療可能です。しかし、症状の原因は肝臓の機能の低下である可能性も考えられますので、消化器内科を受診して精査を受けるのが良いでしょう。

まとめ

お酒を飲むと顔や身体が赤くなることは往々にしてあるかと思います。しかしながら、時にはアレルギーなど重症化すれば命に関わるものもあります。喉の違和感など普段と違う症状がある場合はすぐに病院を受診してください。また、長期的に赤い斑点が出ている場合はアルコール性肝硬変などの可能性もあります。気になる方は一度病院で検査を受けてください。

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状で考えられる病気

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」から医師が考えられる病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

消化器系の病気

アルコール性肝障害、肝硬変

免疫系の病気

アレルギー

お酒が弱い人は無理をしないことが大事です。お酒が強くても、肝機能の悪化やアレルギー症状が出現することはありますので注意しましょう。

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」に似ている症状・関連する症状

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

お酒を飲むと真っ赤になる

お酒を飲むと体中が痒くなる

お酒を飲むと熱くなる

赤い斑点 かゆくない腕に赤い斑点かゆくない足に赤い斑点顔 赤い斑点赤い斑点かゆくない太もも

「お酒を飲むと体に赤い斑点ができる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「アルコール性肝障害」「肝硬変」「アレルギー」などの疾患の可能性が考えられます。
かゆみや息苦しさがある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

【参考文献】
・肝硬変診療ガイドライン2020(改定3版)
・アナフィラキシーガイドライン2022