台湾で、仮面ライダーのコスプレをしたファンたちと記念撮影をする松田悟志

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《【衝撃】台湾で物販に立っていたら仮面ライダーが集結してきた》

【写真】仮面ライダー俳優だった23歳の松田、台湾を満喫するオフショット

 4月28日、俳優の松田悟志が、仮面ライダーのコスプレに身を包んだファンに囲まれている写真とともに、ツイートを更新した。現在44歳の松田は、2002から2003年に放送された『仮面ライダー龍騎』に、仮面ライダーナイト・秋山蓮役で出演。日本では2022年末に公開され、台湾でも上映が始まった映画『仮面ライダーギーツ×リバイス MOVIEバトルロワイヤル』にも登場している。映画公開に伴って台湾で行われたイベントに松田が参加すると、現地のファンが集まって大盛況となった。そこで、今回の台湾でのイベントや、仮面ライダーブームについての話を聞いてみた。

「もともと、今回の台湾渡航の目的はファンミーティングと音楽活動だったんです。偶然、自分が出演した『仮面ライダーギーツ×リバイスMOVIE バトルロワイヤル』の公開期間と被っていたので、関係者の方にお願いして、トークショーをさせていただいたんです」

 飛び入りで登場したイベントだったが“龍騎の秋山蓮が来るらしい”と噂が広まり、会場にはファンが集まった。放送から20年以上たってもなお根強い人気だが、“ナイト”を演じた後の20〜30代は“仮面ライダー俳優”と呼ばれるのが嫌だったという。

「特撮出身だから」と言われて

「他のドラマの撮影現場に行ったとき、上手くいっても失敗しても“特撮出身だから”と言われて、悔しい思いをしていました。“仮面ライダーのお兄さんと言われないように”ということをモチベーションにして、当時は俳優業に打ち込んでいたほどです」

 長い間“特撮出身”というイメージに悩んでいたが、2019年に放送されたスピンオフ作品『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』への出演が、考えを大きく変えた。

「17年経っても、みんなが、当時の役の“蓮”と呼んでくれるのが本当に嬉しかったんです。仮面ライダーファンの方々が自分のことをずっと愛してくれていたことを実感して“仮面ライダーのお兄さんとか言わないで”と反発していた自分はなんて馬鹿だったんだと……。 ファンの方からしたら僕は“ナイト”なんです。だから、その一面は一生大事に持っていたいと思っています」

 自分が出ていた作品の魅力に改めて気づいた松田。この頃から“自分の全てをさらけ出そう”と自伝を書き始めていた。

海外からもイベントオファーが殺到

「40歳を超えて、人生の折り返し地点に来たときに、応援してくれている方たちに“自分のことを全部知ってほしい”と思ったんです。スピンオフ作品への出演が決まり、作品を通してこれまで抱いていた“仮面ライダー俳優”というコンプレックスを克服できました。ある時期、僕にとって最大の敵に見えていた“仮面ライダーナイト”は、最大の味方だった。そういう意味もこめて、本のタイトルを『仮面ライダーのなり方』にしたんです」

 コンプレックスを武器に変え、俳優として活動している松田。台湾をはじめとした海外での『仮面ライダー』人気について、どう考えているのか。

「ここ2、3年で、海外からのイベントオファーが増えています。ある国のイベントに行ったとき“私たちの国と政治的に対立している場所に行ったら、先に私たちに会いに来て下さったことで、ネガティブな言葉をかけられる場面があるかもしれない。でも、特撮が好きなファンは、国が違ってもみんな気持ちは同じだから、どうか優しく接してあげてほしい”と言われました。自分の経験を通して、人種や国境、様々な問題を超えて人の繋がりを作ることができるのであれば、それは本当に嬉しいです」

 自らを拒否し、自らを愛した“仮面ライダー俳優”は、時間も国境も超えて支持され続けているのだ。