「眼瞼ミオキミア」の症状・原因・予防方法はご存知ですか?医師が監修!
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眼瞼ミオキミアとは、まぶたがぴくぴくと痙攣するような病気です。疲れやストレスから発症することもあるため、症状を感じた経験のある方は多いのではないでしょうか。
中にはちょっとした症状なので放置している方もいるでしょう。しかし他の病気である可能性もあるため、正しい病気の情報を把握し、場合によっては適切な治療も必要です。
そこで本記事では、眼瞼ミオキミアについてご紹介します。症状・原因・眼瞼痙攣との違い・治療方法・予防方法も詳しく解説するので、今後の受診や治療に役立ててください。
眼瞼ミオキミアとは
眼瞼ミオキミアの特徴を教えてください。
眼瞼ミオキミアとは、目の周りの筋肉である眼輪筋が不随意運動を起こすことで、目の周りがぴくぴくと波を打つように痙攣する病気です。下まぶたが痙攣することが多く、数分間で症状は改善しますが、何度か繰り返すケースが多いです。他の部位に症状が拡大する心配はなく、自然に治る病気と考えられています。
どのような症状がみられますか?
この病気の主な症状としては、下記のようなものが挙げられます。目の周りの痙攣
目の疲れや重さ
発症する原因を教えてください。
この病気を発症する原因は、現在はっきりとは分かっていませんが、次のようなものから誘発されると考えられています。ストレス
疲労
睡眠不足
人前で話すなどの緊張
嚥下運動
誘因の1つがストレスや疲労です。仕事の疲れや精神的なストレスによって、神経系の働きが乱れて発症するといわれています。
また睡眠不足によっても誘引されるケースがあります。睡眠不足で目が休めていないために、筋肉に負担がかかって痙攣するのです。
誘因の1つとして、人前で話す時などの緊張も考えられています。緊張や興奮時の末梢神経の変化がかかわっているといわれているのです。
また近年では、嚥下運動もかかわっている可能性が疑われています。このように様々な要素が考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
眼瞼痙攣との違いを教えてください。
眼瞼ミオキミアと似ている病気に、眼瞼痙攣と呼ばれるものがあります。どちらの病気も筋肉の不随意運動から痙攣などの共通の症状を引き起こしますが、症状の細かな内容や原因が異なります。
眼瞼ミオキミアの場合、先述紹介した症状は片眼性のものであり、ストレスや疲労などから誘発されるのが特徴です。
一方眼瞼痙攣は、両眼性の病気であり、次のような症状が現れます。
まぶたがぴくぴくと痙攣する
瞬きの回数が異常に増える
まぶたが開けにくくなる
部屋の電気がまぶしく感じる
上記の中でも特徴的な症状が、まぶたが開けにくくなる点です。初期の頃はまぶたの痙攣や瞬きの回数が異常に多いなどの症状ですが、悪化するとまぶたが閉じてしまって開けにくくなります。すると物理的に失明状態となるため非常に危険です。
さらに、部屋の電気がまぶしく感じるなどの症状を感じる方もいます。このような症状の原因は、主に大脳基底核の異常や、血管や腫瘍による神経の圧迫が考えられています。
顔面の筋肉に指令を出す大脳基底核に何らかの異常があることで、正常に指令が出されず発症すると考えられているのです。
また、血管や腫瘍によって神経が圧迫されていることでも発症すると考えられています。
このように眼瞼ミオキミアと眼瞼痙攣では細かい症状や原因が全く異なるため、専門の医療機関でどちらの病気かを診断してもらい適切な治療を行いましょう。
眼瞼ミオキミアの治療
受診するべき症状はありますか?
先述したような症状が繰り返し現れる場合には、専門の医療機関を受診した方が良いでしょう。また下記のような症状が現れた場合にも、早めに受診した方が良いです。まぶたが閉じにくくなったり開けにくくなったりする
視力の低下が感じられる
まぶたが腫れる
通常の症状であれば、重症化することはほとんどなく短時間で治まりますが、悪化すると普段の生活に支障が出るような症状に変化するケースがあります。
例えば、まぶたが閉じにくくなったり開けにくくなったりといった症状です。まぶたが開けにくい場合は、眼瞼痙攣など別の病気の可能性があります。
自己判断せず、医療機関を受診して適切な診断を受けましょう。また、視力の低下が感じられる場合やまぶたが腫れている場合も受診すべきです。
目が見えにくいと日常生活への支障も大きく、まぶたの腫れは全く別の病気の可能性があります。治療が遅れて症状を悪化させないためにも、早めに受診して適切な治療を開始しましょう。
治療方法を教えてください。
眼瞼ミオキミアの治療方法としては、次のようなものが挙げられます。ボトックス注射
薬物療法
治療方法の1つが、ボトックス注射です。慢性的な症状が見られる場合には効果が期待できます。
ボツリヌス菌を投与する方法で、筋肉の働きを抑えてくれるため症状の緩和が見込めます。また、薬物療法も治療方法の1つです。
重度の症状が見られる場合には、抗てんかん薬・抗うつ薬・抗不安薬などで神経を鎮めて症状を緩和させます。なお、眼瞼ミオキミアが軽症の場合は自然治癒も可能です。
十分な睡眠やストレスを溜めないようにすることで、数週間程度で自然と治るため、医師と相談しながらどのような治療を行うかを決めましょう。
市販薬を使用しても良いでしょうか?
眼瞼ミオキミアの場合は、市販薬を使用しても問題ありません。市販薬によって完全に治癒することは難しいですが、症状を和らげる効果が期待できるでしょう。
代表的な市販薬としては、ビタミンB12が含まれる点眼薬などが挙げられます。
ビタミンB12には、神経と血液細胞の健康を保つなどの効果が期待できるため、症状の改善が見込めるでしょう。
眼瞼ミオキミアの予防
眼瞼ミオキミアは治る病気でしょうか?
眼瞼ミオキミアは、軽度なものであれば基本的には数日~数週間で自然と治る病気です。誘因の1つと考えられるストレスや睡眠不足を解消することで治せます。
しかし、症状が悪化している場合は、ストレスや睡眠不足の解消だけでは症状が改善しないケースもあるでしょう。
その場合は適切な治療を行うことである程度は治せますが、重症化してしまうと完全に治せない場合もあります。
一時的に症状が緩和してもしばらくすると再発するといったケースが多いため、できるだけ軽症の段階で早めに治療を進めると早期改善が期待できます。
予防する方法を教えてください。
この病気の予防方法は、次のようなものが代表的です。ストレスの軽減
規則正しい生活
目の疲れを防ぐ
予防方法の1つがストレスの軽減です。肉体的なものや精神的なものがありますが、どちらもためすぎると眼瞼ミオキミアの症状を引き起こす可能性があります。
そのため、リラックスできる時間を作って、適度にストレス発散できるようにしましょう。
また、規則正しい生活を送ることも大切な予防方法です。
十分な睡眠を取り、栄養バランスの取れた食事を行い、適度な運動をすることが規則正しい生活となります。すると健康状態が整うので症状も現れにくくなります。
さらに、目の疲れを防ぐ点も大切です。
パソコンやスマホの長時間の使用は、目を疲れさせて症状を引き起こす可能性があります。適度な休憩を挟んで疲れを取り除くようにしましょう。
放置するとどうなるのでしょうか?
この病気は、一般的には時間の経過とともに自然と治ります。そのため、放置していても問題を起こすことはほとんどありません。しかし、視力が低下するなどの症状が重くなる場合には放置しないようにしましょう。他の病気の可能性があり、放置しておくとさらなる悪化を招く可能性があります。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
眼瞼ミオキミアは、目の周りがぴくぴくと痙攣するなどの症状が現れる病気で誰しもかかる可能性があります。しかし、軽度な症状であることが多く、そのまま放置していても自然と治るケースが多いです。
詳しい原因は分かっていませんが、ストレスや疲れによって誘発されると考えられるため、対策を行って症状改善に努めましょう。
対策を行っても症状の悪化が見られる場合や、少しでも目の違和感をおぼえた場合には、専門の医療機関を受診しましょう。
編集部まとめ
眼瞼ミオキミアは、誰しもかかる可能性がある病気です。疲労・ストレス・睡眠不足などが誘因になるといわれていますが、はっきりとした原因は判明していません。
一般的には時間とともに自然と治りますが、悪化するケースや別の病気である場合もあります。
そのため、繰り返し症状が起こるなど少しでも異変を感じた場合にはすぐに専門の医療機関への受診をおすすめします。
目の健康を保ち、日常生活への支障を抑えるためには、早期発見と早期治療が非常に大切です。
参考文献
失明リスクを避けるには早期発見を 40歳以上の20人に1人がかかる緑内障