借金8の泥沼で観客動員ワースト 新庄ハムでささやかれる「2つの誤算」

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新庄監督はチームをどう立て直すのか。手腕が問われる(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 連敗中の日本ハムは19日のロッテ戦(エスコンフィールド)に3−4と敗れ、4連敗。開幕18試合を経過し、4勝12敗の借金8まで膨らんだ。

 先発は侍ジャパン組の伊藤大海、今季はまだ勝ち星がなく快投を期待したいところだったが、2回に井上晴哉に2ランを与えるなど序盤の失点も響き、6回5安打4失点。打線は谷内亮太が2本の適時打を放って気を吐くも、あと一歩及ばず、ゲームセットとなった。

【動画】エスコン初見参で快投を見せたかった伊藤大海が、2回に井上晴哉にホームランを許したシーンの映像

 最近はワースト記録が話題を集める、新球場「エスコンフィールド」の観客動員数はこの日も前日の記録をさらに更新し、1万5843人だった。平日のナイター開催ということもあるが、空席が目立つ現状に危機感も募っている。

 悪いニュースも続く。日本ハムのドラフト2位ルーキー金村尚真投手(富士大)が19日、右肩の張りで出場選手登録を抹消された。金村は開幕ローテーション入りを果たした期待の大型右腕。9日のオリックス戦(京セラドーム)でプロ初勝利をあげると、18日のロッテ戦(エスコンフィールド)でも6イニングを自責点2と好投していた。

 チームでは先発陣再編を行ったばかり。カード頭を任せるなど、安定感ある投球に信頼を寄せていただけに、この離脱は痛い。

 一方、開幕前から予想されていたこととはいえ、投打ともに低迷し、なかなか上がり目が見られない要因に上がるのは、首脳陣の「采配ミス」も指摘されている。

 新庄剛志監督は今季「優勝しか目指さない」とし、昨年とは違い、キャンプインからシーズンを通して固定メンバーで戦うことを打ち出していた。

 そのことで開幕スタメン入りを目指す選手たちも奮起、オープン戦も好調だったが、いざシーズンが始まると息切れが目立つ。ここには「WBCではないが、アピールするために開幕前にピークを持っていく必要があり、今はちょうど調子が落ちる時期にあたっているのではないか」(球界関係者)という声もある。

 元々選手層の薄さも指摘されていたが、オフにも大きな補強なく、FAで近藤健介がチームを離れるなど、戦力ダウンも響いている。野村佑希、清宮幸太郎、万波中正といった期待の若手クリーンアップの成長力をフロントも期待していたようだが、定着するためには今しばらく時間も必要なようだ。

 昨年もチームの成長を願って球場に足を運んだ日本ハムファンはいつまで待てばいいのか。鳴り物入りで開場した新球場が宝の持ち腐れとならないためにも、選手の奮起を待ちたいところだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]