「男性更年期障害(LOH症候群)」の初期症状・何科を受診するべきかご存知ですか?

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「更年期障害」と聞くと女性の症状だと思われる方も多いのではないでしょうか。しかし実は男性でも発症することがあるのです。

それは更年期障害には男性ホルモンが大きく関わっているからです。男性でも睡眠障害や性機能障害などが現れることがあります。

その症状は多岐にわたって現れます。普段の生活にも支障をきたす場合がありますので、早めの受診を心がけてください。

男性更年期障害(LOH症候群)とは

男性更年期障害(LOH症候群)とはどんな病気ですか?

男性更年期障害(LOH症候群)は、男性が年齢とともに、睾丸において生成される男性ホルモンのテストステロンが減ることによって引き起こされる症状の総称です。
これにより、エネルギー消費が減り筋肉量が減り脂肪の蓄積が増え睡眠障害や性機能障害・記憶力の低下などを起こします。
また、骨粗鬆症や心血管疾患のリスクも高まります。

男性更年期障害(LOH症候群)の原因はなんですか

男性更年期障害(LOH症候群)は、男性の睾丸にある性腺により生成される男性ホルモンであるテストステロンの減少に原因があります。
また、遺伝的な要因や疾患・薬物の影響などに原因がある場合もあります。

男性更年期障害(LOH症候群)の症状はどんなものか教えてください。

男性更年期障害(LOH症候群)の症状には、以下のようなものがあります。

性欲低下・勃起障害・早漏などの性機能障害

疲労・弱さ・体重増加などの体力低下

不安・抑うつ・記憶障害などの精神状態の変化

筋肉量の減少・骨密度の低下・脂肪増加などの体質の変化

ただし、症状には個人差があり、症状が軽い場合もあれば重い場合もあります。
また、症状は時期が過ぎることにより変化することもあるのです。

男性更年期障害(LOH症候群)の特徴と検査方法

男性更年期障害(LOH症候群)の特徴を教えてください。

男性更年期障害(LOH症候群)の特徴は以下のようになります。

男性ホルモンのバランスが崩れることによって引き起こされる病気

男性の場合、主にテストステロンの減少が原因

男性の更年期によく見られる症状であり、50歳以降に多く発症

症状は個人差があり、軽い場合もあれば重い場合もあり、時期によっても変化

治療方法には、ホルモン補充療法・抗うつ薬・カウンセリングなど

なお、男性更年期は女性の更年期に比べると症状が著しくなく、症状があっても治療を受けない男性が多いといわれています。
男性更年期障害特有の症状である低テストステロン状態が、メタボリックシンドロームの発生・発展に関連することを示唆する研究結果が多く報告されてきました。
低テストステロン状態つまり男性更年期障害の状態は、男性におけるメタボリックシンドロームの1つの発生要因であるとともに、悪循環を形成する1つの因子でもあると考えられます。
今後、テストステロン補充療法がメタボリックシンドロームに対する対処法の1つとなりうる可能性があるでしょう。

男性更年期障害(LOH症候群)は女性の更年期障害とどのような違いがあるのでしょうか?

男性更年期障害(LOH症候群)は、女性の更年期障害(メニープause)とは違います。男性更年期は、男性において、性ホルモンのテストステロンが減ることによって起こる症状の総称です。
これには、睡眠障害・性機能障害・疲労・体力の減退・記憶力の減退・不安や抑うつなどがあります。女性の更年期は、卵巣機能が低下し、エストロゲンとプロゲステロンの生成量が減ることによって起こる症状の総称です。
これには、ホットフラッシュ・多汗・不眠症・乾燥・膣炎などが含まれます。

男性更年期障害(LOH症候群)の初期症状を教えてください。

男性更年期障害(LOH症候群)の初期症状には、以下のようなものがあります。

エネルギーが不足し、疲れやすくなる「疲労や体力の減退」

勃起障害や性欲低下・早漏・不能射精などが起こる「性機能障害」

記憶力や集中力が低下し、認知能力が低下する「記憶力や集中力の減退」

不安や抑うつ・不眠・ストレスなどの「不安や抑うつ」

男性は、睡眠障害が起こり、睡眠質が悪化する「睡眠障害」

筋肉量や筋力が低下する「筋肉量や筋力の減退」

これらの症状は、個人によって異なります。
また、一部の男性では症状がほとんど現れない場合もあるのです。

男性更年期障害(LOH症候群)は何科を受診したら良いでしょうか?

男性更年期障害(LOH症候群)は、内科を受診することが一般的です。
内科医は、男性の更年期障害に対する基本的な診断と治療を行えます。
また、内科医は、更年期障害と関連する他の病気に対する診断を行うこともできるのです。
ただし、更年期障害に特化した専門医である内分泌科の医師も受診することも考えてみましょう。内分泌科の医師は、男性ホルモンのバランスを調整し、更年期障害の症状を軽減するための治療を行ってくれます。

男性更年期障害(LOH症候群)では何か検査はありますか?

男性更年期障害(LOH症候群)では、以下のような検査が行われることがあります。

血液検査により、男性ホルモンのレベル(特にテストステロン)を測定することで、更年期障害が原因であるかどうかを確認する「男性ホルモンの測定」

血液検査により、糖尿病や肥満などの代謝疾患が原因で更年期障害が発症していないかを確認する「代謝検査」

勃起障害や性欲低下などの性機能障害が発症した場合は、生殖器官を検査し、原因を特定する「生殖器官検査」

不安や抑うつなどの精神症状が発症した場合は、心理テストを行うことで、症状が更年期障害によるものであるかどうかを確認できる「心理テスト」

検査の結果をもとに、医師は、適切な治療方法を決定することができます。

男性更年期障害(LOH症候群)の治療法と注意点

男性更年期障害(LOH症候群)の治療法を教えてください。

男性更年期障害(LOH症候群)の治療法には、以下のようなものがあります。男性ホルモンのテストステロンを補充することで、性欲や勃起力などの性機能を改善し、疲労や体力の減退などの症状を軽減する「ホルモン療法」

不安や抑うつなどの精神症状を改善する「抗抑うつ薬」

睡眠障害を改善する「睡眠導入剤」

代謝を改善し、症状を軽減する「ダイエットや運動」

ストレスや不安などの心理的な要因に対処する「心理カウンセリング」

筋肉量や筋力の減退を軽減するために行う、炭水化物やタンパク質などの「補充療法」

一部の男性には、ホルモン療法に対して適応性がないため、「代替療法」が提供されることがあります。例えば、睾丸細胞から男性ホルモンを製造するための医療技術があります。

適切な治療法は、個人差があるため、医師と相談しながら決定していくことが大切です。

男性更年期障害(LOH症候群)の治療費用はどのくらいかかりますか?

治療を受ける場合の費用は、個人差がありますが、長期にわたって継続すればするほど治療費用も多くかかってきます。
また、上記のように治療費用には個人差がありますので、医師と相談しながら治療を受けることが重要です。男性更年期障害(LOH症候群)の治療費用は、症状や個人差により異なります。
男性更年期障害は、加齢・ストレス・男性ホルモン(アンドロゲン)低下などが原因で生じる場合が大半です。
その内、加齢に伴う男性ホルモンの減少によって生じる病態は近年、加齢男性性腺機能低下症候群Late-onset hypogenadism(LOH症候群)と呼ばれています。
LOH症候群の本質はアンドロゲン低下に伴う多臓器機能障害です。
いわゆる「男性更年期障害」の症状は大きく精神症状・身体症状・性機能症状の3つに分類されます。
ただし、その症状のほとんどが「うつ病」などの精神神経科疾患と重なる場合が多く、症状からだけでは、はたして本当に「男性ホルモンの低下=LOH症候群」が主要な原因であるのかどうかの鑑別は難しいです。

男性更年期障害(LOH症候群)の過ごし方で気をつけることなどあれば知りたいです。

男性更年期障害(LOH症候群)の過ごし方で気をつけることには、以下のようなものがあります。

男性ホルモンのバランスを整え、疲労や体力の減退を防ぐために「適度な運動をする」

代謝を改善し、症状を軽減するために「健康的な食生活を心がける」

疲れを取り除き、睡眠障害を防ぐために「十分な睡眠を取る」

喫煙やアルコールは、男性ホルモンのバランスを悪化させ、症状を悪化させることがあるため「禁煙やアルコールを控える」

心理的なストレスは、不安や抑うつなどの精神症状を引き起こすことがあります。ストレスを軽減するために「心理的なストレスを軽減する」、さらには心理カウンセリングを受けることが有効です。

治療効果には個人差がありますので、「医師と相談しながら治療を受ける」ことが重要

最後に、読者へメッセージをお願いします。

少し前までは「更年期障害」といえば女性の症状のことを指していました。
しかし男性でも陰ながら苦しんでいた人もいると思います。現在では認知度も上がってきて知名度もあります。
男性で50歳前後の人で「あれ、もしかして更年期障害かも・・・・・・」と思ったらすぐ内科か内分泌科を受診してください。

編集部まとめ


さていかがでしたか。男性の更年期障害を知らなかった人もご理解いただけたのではないでしょうか。

50歳前後の男性でなんだか最近調子が出ないなと思ったら、男性の更年期障害かもしれません。

すぐ内科か内分泌科を受診しましょう。ホルモンに起因するので自然なことです。誰もがなり得るのです。