看護師にとってあるまじき行為が発覚(画像は『IOL 2023年3月3日付「Nurse facing misconduct charges for allegedly ‘shaming’ a patient」(Picture:Armand Hough/African News Agency (ANA))』のスクリーンショット)

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南アフリカ・東ケープ州保健省は、同省の管轄施設の男性看護師が流産した若い女性を罵倒し、非道な行動をしたという疑惑に関する調査を開始した。流産に至った経緯は不明だが、男性看護師は患者を罵倒し、胎児の写真を撮らせ、さらに胎児をビニール袋に入れて持ち帰らせたという。南アフリカのニュースメディア『News24』などが伝えている。

事件は現地時間2月26日、「ンタバンクル地域保健センター(Ntabankulu Community Health Centre)」で起こった。この施設に来た女性患者(23)は痛みで歩くことができず、NGO職員の女性(19)に支えられながら入ってきたという。勤務中に眠っていた男性看護師は施設の警備員に起こされ、他の看護師の同僚とともに女性患者に対応することとなった。

男性看護師は女性患者が腰に巻いていたタオルを取り、それをベッドのシーツとして使いながら胎児を摘出したが、その最中で彼は「中絶を試みたのだろう」と女性患者を非難し、「犯罪者」「嘘つき」などの侮辱的な言葉を浴びせた。また彼は、付き添いで来ていた女性に携帯電話で胎児の写真を撮るように強要、さらに胎児をビニール袋に入れると女性患者に渡し、家に持ち帰らせたのだった。

この男性看護師の非道な行動は、ンタバンクルを拠点とするNGOから告発されたものだというが、東ケープ州保健省はこのようなことが起きた詳しい状況については公表していない。「苦情を受け、同省は患者とNGOに対し、事件の全容を把握するとともに、患者と関係者に必要なすべてのサポートを提供することを約束することにより、迅速に対応しました」と保健省は明かしている。同省によると、患者と付き添ったNGO職員の双方に心理社会的サポートが提供され、問題の看護師は調査が終了するまで産科病棟と保健センターの仕事を外されるそうだ。

この事件が公表されると、ジェンダー活動家たちは男性看護師の行動に怒りの声をあげた。同州の団体「マシマニャネ・女性の権利インターナショナル(Masimanyane Women’s Rights International)」のソーシャルワーカー、アネリサ・ジェジレさん(Anelisa Jezile)は「若い女性が、無知な看護師のせいで公的医療施設に行きたくなくなるような事態を防ぐために、保健省は徹底的な調査を行い、この問題に迅速に対処するべきです」と語った。

東ケープ州保健省も「今回の行為は許されるものではない」として、疑惑が事実であると証明されれば男性看護師に対して適切な懲戒処分が下されると発表し、「保健省の管轄施設で働く看護師は、常に思いやりのあるケアを施すことを期待されているが、患者が最も弱い立場にある時には特にそうするべきだ」と述べている。

画像は『IOL 2023年3月3日付「Nurse facing misconduct charges for allegedly ‘shaming’ a patient」(Picture:Armand Hough/African News Agency (ANA))』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)