坂口キョウを演じる葵揚(C)2022映画「Sin Clock」製作委員会

窪塚洋介が18年ぶりに邦画長編映画で単独主演を務める『Sin Clock』(2月10日公開)。最低の人生を生きる男たちが思いもよらぬ「偶然の連鎖」に導かれ、幻の絵画をめぐるたった一夜の「人生逆転計画」へ挑む様をスリリングに描く作品だ。この作品に出演する葵揚は、NHK連続ドラマ小説『舞いあがれ!』出演で話題の若手注目株。そんな彼が演じる坂口キョウの熱量溢れる新場面写真が解禁となった。

どん底の人生からの一発逆転を目指すタクシードライバー、高木シンジ(窪塚洋介)の同僚、坂口キョウ。違法賭博が原因で自衛隊をクビになり、シンジ、ダイゴ(坂口涼太郎)らが働くタクシー会社に就職。同じ前職の退職日、同じ誕生日など、数奇な偶然を持つ彼ら3人は、やがてどん底の人生からの一発逆転を賭けてともに絵画強奪計画に挑むことになる。はじめて計画をシンジらに持ちかけるのが、このキョウというキャラクターだ。

キョウは、元会社員や教員という背景を持つ「カタギ」のシンジやダイゴとは違い、闇ブローカーや半グレにつながるルートも持つ「グレー」な存在。人生一発逆転を賭けて、社会の闇へと足を踏み入れていくシンジたちを導く、物語のガイド的な役回りも担う。

そんなキョウは、感情を乱すことの少ないシンジ、常におっとりとしたダイゴと異なり、何をしでかすか分からない、静かな危うさを孕んでいる。物語の中で自分をないがしろにした社会への怒りを度々露わにし、なんとか這い上がろうと、危険を省みず欲に群がるアウトローたちを巻き込んだ“幻の絵画”強奪計画へと躊躇いもなく突き進んでいく様は、まさに「“持たざる者”が挑む予測不能の人生一発逆転計画」である本作を体現する存在。

本作でキョウを演じる葵は、大学在学中にモデルとして活躍後、2019年のNHK大河ドラマ『いだてん』でドラマデビュー。その後も『HiGH&LOW THE WORST』シリーズ(19、22/久保茂昭監督)、『ブラック校則』(19/菅原伸太郎監督)、『ヘルドッグス』(22/原田眞人監督)など話題作に立て続けに出演。現在出演中のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』では、福原遥が演じる主人公・岩倉舞を支える青年を好演。SNS上でも度々話題になるなど、いま大注目の若手俳優だ。

葵はキョウを演じるにあたり「一味を率いる存在として彼が持っている不気味さやブレない精神性、凶暴性を常に意識して演じました」と語る。

今回新たに解禁された場面写真は、絵画強奪計画の詳細な指示をシンジたちに出している様、そして闇ブローカーのチバ(藤井誠士)や半グレ・ヤス(Jin Dogg)たちを相手取り、強奪計画に関するギリギリの交渉の渦中にいる姿を捉えたもの。

いずれのカットからもその決意に満ちた視線から、暴発寸前の熱量や何としてでもどん底から這い上がろうとする男の覚悟が垣間見える。

葵は「Jin Doggさん演じる半グレのヤスやチバの強さをひき出すためにも、キョウが強いままでいないといけない、目で語らないといけないと思いました」と述懐。熱っぽく演じながらも、周りのキャラクターとのバランスを考えながら、冷静にキョウという人物を作りあげていったと語る。

どん底に生きる主人公たちをたった一夜での人生逆転計画へと導き、主人公たちの運命の扉を開ける重要人物、キョウ。複雑なキャラクターを見事に演じ切った葵の強烈な存在感と熱量にも注目だ。