川島永嗣(撮影:岸本勉/PICSPORT)

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20日、日本代表の川島永嗣が練習後の取材に応じ、自分が追いかけ続けている先輩の姿について語った。

過去3大会とも正GKとしてゴールを守った川島にとって、大会直前の試合に出場しなかったのは初めての経験となる。そして初めて自分がゴールの前に立つことになった2010年南アフリカワールドカップでは、控えのGKとして川口能活氏、楢崎正剛氏が川島を支え続けた。

今回、川島はベンチという立場で大会を迎えなければいけないかもしれない。川島は川口氏や楢崎氏が自分に対して行ってくれたことを思い出すのだろうか。

川島は自分が3人のGKの中で上の立場ではなく「本当にフラット」な関係だと考えていると言う。

「自分がこの立場だから何をしなければいけないという気持になったことはありません。自分にできることがあればもちろんチームのためにやりますし、何かアドバイスできることがあればしますが、自分が持っているものを見せなければ説得力がない」と、いつもどおり試合への準備をすると語った。

だが、川島は「川口・楢崎」時代を作った2人の姿を忘れたわけではない。今も感じる2人からの気持ちがある。

「日本を背負ってきた2人だからこそ、そういう姿勢をみせてくれたと今でも思います。あのときは自分がそういう2人の気持ちをつないでいかなければと感じさせられた部分もありました」

ではなぜ川島が川口氏や楢崎氏と同じようにしないのか。川島は話題の最後に気持ちを表に出して語った。

「自分は今でも2人の存在をいつも追いかけている立場。逆にそうやって2人がしたことを自分がやるっていうことすら僕としてはおこがましい」

そこには2人に対する心からの尊敬の念があった。そして川島は2人の気持ちを背中でつないでいるはずだ。


【文:森雅史@ドーハ/日本蹴球合同会社 撮影:岸本勉/PICSPORT】