イーロン・マスク氏が大改革を行っているTwitterでは従業員の半数がレイオフの対象になり、話題となりました。また、Facebookを運営するMetaでも数千人規模の大規模なレイオフが実施されます。そして、ビッグテックの一角であるGoogleでも社員の業績評価システムがより厳しくなったことで、1万人以上の従業員が削減される可能性があると報じられています。

10,000 Google Employees Could Be Rated as Low Performers - The Information

https://www.theinformation.com/articles/10-000-google-employees-could-be-rated-as-low-performers

TCI, an activist investor, claims that Alphabet needs to reduce costs and headcount - TechStory

https://techstory.in/tci-an-activist-investor-claims-that-alphabet-needs-to-reduce-costs-and-headcount/

Googleは「Googler Reviews And Development(GRAD)」という業績評価システムを2022年5月に導入しました。

Build your future with Google

https://buildyourfuture.withgoogle.com/programs/grad



Googleではこれまで社員の業績評価や昇進プロセスを年に2回行ってきましたが、GRADはこれを年1回に集約。また、それまで同僚からの意見などを参考に個人の業績を評価していたところを、GRADでは業績評価の責任をマネージャーに委ねる形に変わったとのこと。Googleは「GRADによってGoogle社員の大部分がより高い賃金で働くこととなり、支払われる全体的な金額も増加すると予想されます」とコメントしています。

これまで、このGRADでは全従業員の2%が悪い評価を受けると予想されていました。しかし、GRADの評価が厳しくなることで全従業員の6%、すなわち約1万1000人のGoogle社員が「業績が悪い」と評価されることが予想されるそうです。内部ガイドラインによると、最低評価だけではなく2番目に低い評価でも「期待されるレベル・一貫して基準に達していなかった」とみなされるとのこと。

GRADによって「業績が悪い」と評価されると昇給額が低くなったり、賞与が下がったりするだけではなく、解雇される理由にもなり得ます。The Informationは、Googleが人員削減を目的にGRADの評価を厳しくしているのではないかとみています。

TwitterやMeta、Amazonなど、「ビッグテック」と称された巨大テクノロジー企業が大規模なレイオフによって従業員を大きく削減し、人件費を減らそうとしています。Googleの親会社・Alphabetの2022年第3四半期(7〜9月)の決算発表では、サンダー・ピチャイCEOは「2022年第4四半期の雇用は大幅に減速させるつもり」と発言しています。

Google親会社・Alphabetの2022年第3四半期決算発表、広告&検索の売上は好調もYouTubeが2年ぶりに売上減に - GIGAZINE



ヘッジファンドのTCI Fund Managementは、ピチャイCEO宛ての(PDFファイル)公開書簡を2022年11月15日に発表。その中で「Googleには従業員が多すぎて、従業員1人当たりのコストが高すぎる」と指摘し、コスト削減のために積極的な行動を取るように求めています。

また、アナリストのマーク・シュムリク氏は、Googleに「コスト削減や規律を重視する声高な努力を積極的に避ける独特の文化」があると指摘し、これまでGoogleは決定的な行動を起こすのが遅れて肥大化していって今に至ったと述べました。