東海道新幹線も「上級グリーン車」検討へ 半自動運転化で乗務も変わる JR東海の決意表明
東海道新幹線を貸し切ったら、何したいですか?
新幹線の“使い方” より柔軟に
JR東海は2022年10月31日(月)、「最新の技術を活用した経営体力の再強化」と題し、鉄道の将来像と主な取り組みについて発表、そのなかで東海道新幹線についての今後の方針も明かしました。
東海道新幹線にグリーン車よりも上のサービスを検討する。写真はイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。
●新幹線の新サービス、新たな使い方
今後、JR東日本の新幹線の「グランクラス」に相当するような、「グリーン車の上級クラス座席」や、ビジネス環境をいっそう高めた座席を検討するといいます。また、駅のワークスペース「EXPRESS WORK」や、新幹線車内の「ビジネスブース」など、乗車前後を通じて仕事ができる環境をさらに充実させるそうです。
また、新幹線車内の「新たな使い方」として、団体向けに新幹線車両の貸切りを提案。オリジナルの車内装飾や車内放送、モニターの機材の貸出しなどを行い、車内でオリジナルイベントなどを実施できる新たなサービスを提供するということです。そのイメージとして、ウェディングパーティーでの貸切の例を紹介しています。
また、2023年秋と具体的なサービス開始予定時期が明記されているのが、「EX-MaaS(仮称)」サービス、現在のEXサービスの拡大版です。新幹線と、ホテルや旅先での交通手段、観光プランなどの旅行全体をシームレスに予約・決済できるサービスで、新幹線とホテルや観光プランを自由に組み合わせることができるほか、国内で初めて乗車直前まで列車変更ができるパッケージ型商品「EXダイナミックパッケージ(仮称)」も同時期に提供するといいます。
●乗務の在り方を変える「半自動運転」
さらに、ホームドアを東海道新幹線の全駅に整備するとともに、運転中の速度制御と停車を自動化する「半自動運転機能」を導入するそうです。これにより運転士は発着時の安全確認、ドアの開閉を行うとともに、異常時は列車の責任者として車掌、パーサーなどを統轄して対処。車掌は乗客のサポート業務に注力するとともに、巡回を強化しセキュリティを向上させるとしています。
それぞれのサービス、取り組みの導入時期は追って発表されます。JR東海はこれらを通じ、「経営体力を再強化し、投資とサービス改善の好循環を実現します」としています。