44年前の1978年10月30日、笹塚〜新宿間に京王新線が開業しました。

地下鉄乗り入れ用に新ルートで線路増加


京王新線経由で都営新宿線へ乗り入れる京王の電車(画像:写真AC)。

 今から44年前の1978(昭和53)年10月30日。京王新線の笹塚〜新線新宿が開業を迎えました。

 1966(昭和41)年に複々線化の申請を行い、1971(昭和46)年に着工。折しも1968(昭和43)年、国の答申で地下鉄10号線(芦花公園〜新宿〜(略)〜浜町〜住吉町)という、現在の都営新宿線の整備方針が決定。それに伴い、新設される線路はこの10号線の一部として、最初から地下鉄への直通を前提とした形で建設が進められたのです。

 その背景もあり、一般的な「線路を横に増やして2本から4本にした」という複々線ではなく、並行しつつも独立したルートが敷かれました。しかも、旧来の京王線「本線」からは途中駅の幡ヶ谷駅・初台駅が無くされ、新線上にしかない駅となったのです。

 地下線の建設が進められる傍らで、もともとの「本線」のほうも、徐々に地下化が行われていました。1963(昭和38)年の新宿駅地下化を皮切りに順次地下部分を延伸し、京王新線に遅れること5年、1983(昭和58)年に幡ヶ谷駅のあたりまで地下化完成し、現在に至ります。

「本線」が旧玉川上水の河道を利用したクネクネな線形なのに対し、新線は甲州街道の真下に建設されたため、真っすぐな線形です。初台駅は上下線のホームの階が違う「2層構造」ですが、これは甲州街道の地下に首都高新宿線の橋脚基礎がすでにあり、横幅スペースが確保できなかったのが主な理由です。

 都営新宿線の開業は1年半後の1980(昭和55)年。京王との直通運転が同時に開始され、現在も笹塚までほぼ一体運用されており、都営新宿線のほとんどの列車が笹塚・橋本方面へ向かいます。