31年前の1991年10月28日、駅の勾配が日本一である、明知鉄道の飯沼駅が開業しました。

基準を大幅超過も特例で設置


急勾配上にある明知鉄道の飯沼駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 今から31年前の1991(平成3)年10月28日。岐阜県中津川市の明知鉄道に、飯沼駅が開業しました。

 飯沼駅はケーブルカーなどをのぞく一般の鉄道では「勾配日本一の駅」として知られ、その勾配は33パーミル。地上線から高架線へ上がる際の急勾配にも匹敵し、ホームに立ってみると、明らかに傾いている体感があります。

 明知鉄道はJR中央本線の恵那駅から分岐し、「日本大正村」で知られる明智までをむすぶ25.1kmの路線。もともとは国鉄ローカル線でしたが、1985(昭和60)年に第三セクターに移管されています。

 恵那駅を出るとものすごい勾配で延々と山中を登っていき、恵那の街があっという間に遥か眼下へ遠ざかっていきます。飯沼駅は、その長い急勾配の途中に新設されました。駅構内の勾配としては、設計基準である「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」で定められた5パーミルを大幅に超過しています。事前に各種調査や試験が行われ、特例で開業に至りました。