観客に向かって猛突進する闘牛(画像は『Loïc Spadafora 2022年10月16日付Twitter「Un #taureau a sauté dans les gradins cet après-midi à la fête d’#AiguesMortes dans le #Gard.」』のスクリーンショット)

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フランスで開催されたフェスティバルで今月15日、闘牛が観客スタンドに飛び込んでパニックを引き起こした。会場にいた観客によって撮影された動画には、興奮した闘牛が女性を宙に放り投げる様子が映っている。会場は悲鳴で溢れ、一時騒然となった。『Franceinfo』などが伝えている。

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地中海近くのフランス南東部に位置するガール県エーグ=モルト市は、城壁に囲まれた街として有名だ。またピンク色の塩田やワイン産業の地として観光スポットにもなっている。エーグ=モルト市ではブドウの収穫と塩の収穫を終えた10月に、闘牛や舞踏会、コンサートなどが催されるフェスティバル(奉納祭)が行われており、今年は8日〜23日に開催された。

今回のハプニングは、闘牛の競技の最中に起きた。

Twitterに投稿された当時の様子を捉えた動画では、闘牛が何かターゲットを見つけたかのように観客スタンドの一番上まで登っていく様子が映っている。牛の角は事故を防ぐために保護されていたが、観客の中には闘牛を押さえ込もうとする人や、スタンドから飛び降りて避難する人もいた。ある女性は闘牛の角がTシャツの下に刺さってしまったため、宙に放り出される形でリングに転倒した。女性が転倒したはずみで闘牛もリングに落下したが、幸いにも闘牛はその場を走り去った。女性はすぐに立ち上がり、周囲の人によって助けられて救助隊に保護されたという。

会場にいた観客のツイートによると、この闘牛は新入りで興奮気味だったとのことだ。

一方で、動画を見た人からは「牛が無事であることを祈ります」、「野蛮人の集まりだ」、「かわいそうな牛」などと牛を心配し、闘牛の伝統を非難するコメントが目立った。

ちなみにフランスでは、伝統を理由にした一部の地域以外での闘牛は禁止されている。反闘牛デモも度々行われており、「伝統」に固執した闘牛について疑問視する声も少なくない。

画像は『Loïc Spadafora 2022年10月16日付Twitter「Un #taureau a sauté dans les gradins cet après-midi à la fête d’#AiguesMortes dans le #Gard.」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 H.R.)