ビジネス特化SNS「LinkedIn」では自分の職歴を記載してキャリアをアピールできますが、中にはウソの情報を掲載しているユーザーやBOTが運営する偽アカウントも存在します。そんなLinkedIn上から「Appleの社員」や「Amazonの社員」を自称するアカウントの半数近くが一斉削除されたことが明らかになっています。

Battle with Bots Prompts Mass Purge of Amazon, Apple Employee Accounts on LinkedIn - Krebs on Security

https://krebsonsecurity.com/2022/10/battle-with-bots-prompts-mass-purge-of-amazon-apple-employee-accounts-on-linkedin/

自称Apple社員とAmazon社員のアカウントが一斉削除されたことに気付いたのは、採用関連システムの開発業務に携わるジェイ・ピーニョ氏です。ピーニョ氏はLinkedIn上のデータを分析して、AppleやAmazonを含む数十の企業の社員であることを自称するユーザーの数を追跡しているとのこと。Amazonの社員を自称するユーザーの数をまとめた以下の画像を見ると、2022年10月10日午前11時には124万9848人のユーザーがAmazon社員を自称していたものの、同日午後11時にはユーザー数が83万8674人にまで減少していることが分かります。



Apple社員を自称するユーザー数の推移が以下。2022年10月10日午前11時から同日午後11時にかけてユーザー数が半分以下に減っています。



上記のアカウント一斉削除がAppleやAmazonの苦情への対応として実行されたのか、LinkedInによって自発的に実行されたのかは不明ですが、アカウント一斉削除のタイミングが一致していることからLinkedInによる自発的な対応であると考えられます。

ピーニョ氏が発見した「ユーザー数の急激な減少」は自称Apple社員と自称Amazon社員だけではありません。例えば、大手仮想通貨取引所「Binance」の社員を自称するアカウントは2022年9月4日に7846人から6102人に減少しています。



セキュリティ専門家のブライアン・クレブス氏は、LinkedIn上に大量に存在する偽アカウントについて「豚殺し」ような詐欺や企業からの個人情報奪取に利用されている可能性が高いと指摘しています。