災害発生時の迅速な人命救助など対応力の向上につなげようと、鹿沼市消防本部に新しい訓練施設が完成し、落成式が30日行われました。

完成した訓練施設は、高さ17メートルと9メートルの2つの塔です。これまでの訓練塔は約30年にわたって使用されてきましたが、近年、頻発する大規模災害にも対応できる高い技術の習得のため、総工費約1億5千万円をかけて建て替えられました。  

9メートルの訓練塔では、足利市で去年発生した山林火災のような斜面を想定した訓練を行うことができます。一方、17メートルの塔は集合住宅や戸建て住宅での救助を想定していてバルコニーや屋根から内部に入り、煙が充満して動きにくい状態での訓練を行うことが可能です。  

このほか、2つの塔の間に張られたロープを使うことで川など両岸が離れた場所を想定して救助者を搬送する訓練を行うこともできます。これまでよりも実際の災害や火災に近い状態での訓練が可能となり、災害現場での迅速な救助に向け一層の技術の向上が期待されます。