帝王切開で誕生した双子(画像は『LADbible 2022年3月26日付「​Twin Born Still Inside Amniotic Sac In Very Rare Event」(Credit: CEN)』のスクリーンショット)

写真拡大

スペインの病院で今月23日、非常に珍しい“被膜児”の誕生の様子がカメラに収められた。被膜児とは破水せずに卵膜と羊水に包まれて誕生した赤ちゃんのことで、同病院の医師によると誕生の確率は8万分の1という。『LADbible』などが伝えている。

【この記事の他の写真を見る】

【この記事の動画を見る】

カステリョン県ビナロスにある産婦人科病院のアナ・テェイジェロ医師(Dr. Ana Teijelo)が24日、珍しい帝王切開による出産の様子を捉えた動画や写真をTwitterに投稿し注目された。

それらは母親の許可を取って投稿されたもので、双子の1人が大きな水風船のような卵膜に包まれたまま誕生する姿には思わず息を呑む。

テェイジェロ医師は慎重に卵膜を取り出しており、「2人目が卵膜に包まれているのが分かったの。破水させてすぐに取り上げることもできたけど、急ぐ必要もなかったし、赤ちゃんが羊水の中で動いているのを見た時はワクワクしたわ」とレアな分娩を振り返る。

その言葉通り、うっすらと髪の毛が生えた胎児は羊水の中で身体を丸めてもぞもぞ動いており、テェイジェロ医師が羊膜についた血を拭うと胎児の表情まで透けて見える。

双子の分娩は同病院で研修中の医師の卵らが見守る中で行われたそうで、テェイジェロ医師は分娩時の写真に「美しいでしょう!」と言葉を添え、「私はこの仕事をして20年になるけど、被膜児を取り上げたのは初めて! 医学部の学生よりも私のほうが興奮してしまったわ」と明かした。

被膜児は“幸帽児(こうぼうじ)”とも呼ばれるが、英語圏では“マーメイド・バース(人魚の出産)”またはエンコールバース(en caul birth)と言われ、日本と同様に縁起が良いとされる。自然分娩よりも帝王切開のケースで多く、超低出生体重児の分娩でのリスク回避やストレス軽減のために選択されることもあるという。

なお誕生した双子はとても元気だそうで、テェイジェロ医師は今回の分娩に関わった全てのスタッフが貴重な経験をしたこと、双子の誕生を心から喜んでいることを伝え、家族を祝福した。

ちなみに今月初めには、トルコで生まれた被膜児の動画がSNSで拡散し、羊水の中で目や口を動かす胎児の姿が神秘的だと話題になった。

画像は『LADbible 2022年3月26日付「​Twin Born Still Inside Amniotic Sac In Very Rare Event」(Credit: CEN)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)