生理痛は我慢しないで! 私たちが変えるべき生理への考え方と知識

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現代の働く女性は、生理にまつわる多くの不調や将来の健康リスクを抱えています。しかし、女性の体の問題について女性自身も対策を正しく知らず、企業や社会の理解も十分には得られていません。

そうした現状を踏まえ、日経BP総合研究所は、女性の体について女性自身も周りも理解を深めることで日常生活や仕事のパフォーマンス向上につながると考え、その必要性を発信するために「生理快適プロジェクト」という取り組みを行っています。

今回はプロジェクトの一環として、生理について専門家の方から最新の情報を聞くことができるセミナーが開催されたので、マイナビウーマン編集部も参加してきました。

■生理痛は対策すべきものと考える

今回のセミナーでは、東京大学大学院医学系研究科 産婦人科学講座教授の大須賀穣先生が登壇し、生理の不調を放っておくことで起こる生活や社会への影響と、生理の不調を改善するための対策や効果などの事例についてお話しされました。

まず、女性は毎月の体調の変化はもちろん、一生で見た場合も女性ホルモンの変動に体調が左右され、年齢によって異なる病気のリスクがあることを紹介しました。

特に「月経困難症(生理痛)」に関しては、毎月繰り返して放置していると、痛みが増幅する可能性があるとのこと。

また、薬を飲むことに対して懸念を示す人もいるけれど、「月経困難症という病気に対して薬を使うのは正しい、むしろ使わない理由がない」と考えてほしいと語り、「薬を使っちゃいけない、生理痛はみんなあるものだから我慢しなければならないと思わず、痛くて当たり前なので、自分に合った薬を選んで対処することが大切」だと強調しました。

また、生理痛に使用する薬としては、いわゆる市販で売っている鎮痛薬の他、「低用量ピル」などもあるとのこと。

低用量ピルはホルモン状態が一定にコントロールされるので、ホルモンの変化に伴う体調不良が改善されるなど、上手に使うことで女性の健康を支援することができるそうです。

■生理痛の強さと労働への影響

実際にどのくらいの女性が生理痛に悩まされているのかという調査では、月経のある女性のうち、74.0%は月経に伴う何らかの症状を抱えており、さらにそのうちの半分は具体的な症状として「痛み」と回答していたとのこと。

さらに、生理痛などの月経に伴う症状が「非常に強い」と答えた人は、労働への影響も「普通より多い」と回答しており、痛みの程度が労働に大きく関与していることが分かりました。

■今後生理とどのように向き合っていくか

最後に先生は、「生理に対してどんな対策をするのが良いか」のまとめとして、以下を挙げました。

健康な生活(食生活・睡眠・ストレス解消) 月経困難症、月経前症候群(PMS)、更年期障害の早期発見、早期介入 受診しやすくなるような環境を職場や学校が作る 正しい知識をより多くの人が持つ

月経については、「知識がないからそのままにしておく」「これが当たり前だから我慢する」という考え方が広く浸透しています。しかし、きちんとした知識を身につけることで、自身とその周りの人の不調を改善するきっかけとなるかもしれません。

(松岡紘子/マイナビウーマン編集部)