(写真:アフロ)

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《覚えていますか??10年前の天王寺エリア… 中々人が近寄らないような場所だった。民間活用で改革を進め、今は綺麗な芝生が生い茂り、休日には子どもや家族の笑顔あふれる場所に。出来ないことを声高に叫ぶだけでなく、出来ることから改革するのも政治だと思います #自民か維新かそれ以外か》

こうツイートしたのは、大阪維新の会の公式アカウント。10月30日、衆院選のさなかだった。

投稿には、イラストが添付されている。そこにはかつて天王寺公園で見られた「青空カラオケ」と思しき「カラオケ」と掲げられた建物や、路上生活者の住居と思われるブルーシートで覆われた建物も。この「BEFORE てんしば」と説明のついたイラストは曇り空で、どんよりとしたものだ。

いっぽうツイートには、「AFTER てんしば」と書かれた写真もアップされている。そこには雲一つない空のもと、公園で遊ぶ親子の様子などが写されている。

「てんしば」とは’15年、大阪天王寺公園にオープンしたレストランやカフェ、子供の遊び場などのあるスポットだ。大阪維新の会はツイートを通して、「天王寺エリアの10年間の変遷」を伝えたかったのかもしれない。

しかし現在、SNS上で「デマでは?」との声が上がっているのだ。

「青空カラオケが撤去されたのは’03年頃、今から約18年前のことです。ちょうど10年前の’11年8月には天王寺公園でビールの祭典『オクトーバーフェスト』が開催。ネットでも『10年前でも天王寺公園をよく散策しましたね』との声も多数あり、『人が近寄らないような場所だった』とは言いづらいでしょう。なにより路上生活者の排除を“是”としているようにも見え、ツイートが適切かどうかについて疑問の声が上がっています」(全国紙記者)

また、このツイートに対して「青空カラオケを撤退させたのは、大阪維新の会の成果と捉える人もいるのでは」との指摘も。ネットではこんな声が上がっている。

《20年くらい前の青空カラオケテント村撤去は維新の手柄じゃないでしょ》
《あくまで維新以前の成果》
《あんたらが出現した頃には青空カラオケはなかったわい》

さらにBEFOREはイラストでAFTERは写真だ。そのため、《beforeが絵って最早妄想じゃん》《写真出せないなら、こんな比較なんの信憑性もないですよ》《とうとうイメージイラストと比べ出す始末。何でもアリやん》といった声が上がっている。

多くの疑問をはらむ同ツイート。一体、どういう意図で行われたものだろうか?

■担当者は「どう感じてもらっても結構」の一点張り

本誌は大阪維新の会に取材を試みた。すると、電話口で担当者が応じてくれた。

――青空カラオケが撤去されたのは18年前のことです。10年前にはイベントも開催されており、「人が近寄らないような場所だった」とは言いづらいのではないでしょうか。

「そもそもですが、イラストに『青空カラオケ』と書かれていますか?『青空カラオケだ』と認識してもらうのは構いませんし、どう感じるかは自由です。ただ、こちらはそうは考えていません」

――イラストに描かれている青い家は、路上生活者の家でしょうか。

「明確に伝えることはできません。“そういう風景があった”というイメージです」

――ツイートによって「大阪維新の会が青空カラオケを撤退させた」と捉える人もいるかもしれません。

「感じ方はひとそれぞれですからね。私たちは『民間の力で今の“てんしば”がある』と考えています。維新が関わりながら、民間が積極的に活用している。ツイートでは、そう伝えたかったのです」

――イラストと写真を比較しているため、「デタラメ」など厳しい声が上がっています。

「説得力がないと感じるのなら、それで結構です。どう感じてもらっても構いませんよ。イラストを使ったのは、写真がこちらになかっただけですから」

担当者は「どう感じてもらっても結構」の一点張りだった。あなたは、どう感じるだろうか。