夏の暑さが弱まり秋に近いづいていますが、この時期もまだまだ注意したのが家の中に発生する害虫。気をつけたい虫と、その対策法を虫博士の亀崎宏樹さんに教えてもらいました。


蚊以外にもゆだんならない虫たちがいます。ぜひ対策を(※画像はイメージです)

夏から秋にかけて出現!注意したい虫たち



家の中でさまざまな悪さをする害虫たち。虫博士によると、蚊やゴキブリ以外にも、夏から秋にかけて、気をつけておくべき虫たちがいるそう! しっかり対策を。

●【カメムシ】刺激を与えると強烈なにおいが発生!洗濯物にも付着





生態:カメムシの多くは植物を好んで食べ、なかでもイネや果樹を食べる害虫のカメムシも多く生息。越冬時には人家に侵入して、いやなにおいを発生する種も!

夏から秋が活発な時期。白い洗濯物には要注意です。
干してある洗濯物につくこともあるので取りこむときは要注意。山間部や寒冷地方では越冬のため集団で家に侵入して春まで居座ることも。

【対策法】

隙間をなくすことが大切。窓には防虫網をとりつけ、サッシのレールや枠、換気扇などに塗布型殺虫剤で処理を。侵入したカメムシにはくん煙殺虫剤(適用害虫にカメムシとあるもの)を使うのが効果的です。

●【シバンムシ類】小麦粉や乾麺から本、畳などなんでも食べちゃう





生態:漢字は「死番虫」。人を刺したり、吸血したりすることはないですが、小麦粉や乾麺が入っている袋まで破るほど食欲旺盛。全国的に発生します。

超雑食性であらゆる乾燥食品を食べます。干しシイタケやそうめん、ビスケットなどの乾燥食品、とくに植物性のものが大好物。気づかぬうちに増殖していることが多いので要注意です!

【対策法】

粉ものは袋の口をしっかり閉じるのはもちろん、夏の間は冷蔵庫に保管しておくのがおすすめ。また、ダンボールにすみつく場合もあるので、取り置きはせずに、すぐに捨てるようにしましょう。

●【ダニ】すべての家にいる!といってもけっして大げさではないダニの脅威





生態:数多いダニのなかでも、布団やソファ、カーペットなどに多く発生。その死がいやフンがアレルギーの原因となるのはヒョウヒダニ。高温多湿が大好き!

皮脂やアカが大好物。布製品はとくに注意を! 家の中でダニが多いのは布団やカーペットと思われがちですが、ソファやダイニングの布張りのイスなど、人がよく座る場所に多くいます。

【対策法】

ダニは高温に弱いので、洗濯したら高温の乾燥機を使うのがいちばん。やりがちな天日干しは湿気をとる意味では有効な手段ですが、ダニを死滅させることはできないので定期的に乾燥機にかけて!

●【コクゾウムシ】別名・米食い虫とも呼ばれる穀類が大好物





生態:体長3mm程度。象のような長い鼻をもち、米びつなどに湧く害虫。気温が20〜30℃で湿度が高い環境が大好きで、1匹いるだけで、すぐに大量発生する場合も

寒さに弱いので冷暗所での保管を。高温多湿を好み、エサを求めて飛んで家に侵入します。米粒の中心に卵を産み、幼虫は米を食べて成長するので、米がスカスカに!

【対策法】

米びつには虫よけ対策にトウガラシを入れる、また冷暗所や冷蔵庫の野菜室などで保管しましょう。さらに、お米はまとめ買いはせず、短期間で消費できる量をこまめに買う方がいいでしょう。

●【さらにCheck!】激しいかゆみがでる!トコジラミ被害が50年ぶりに急増中




日本国内では根絶されたと思われていたトコジラミ(別名ナンキンムシ)が近年増加中。刺されると激しいかゆみがあり、海外で数年前から被害が拡大し、人や物の流通で日本にも再上陸、深刻な問題になってきているそう。Webなどで中古家具を購入する人は注意して!

<イラスト/山元かえ 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【虫博士 亀崎宏樹さん】



レック株式会社ウェルネス研究開発部で殺虫剤ブランド「バルサン」の商品開発を担当。学生時代に応用昆虫学を専攻し、以来30年以上、ゴキブリやダニなどの害虫の生態や駆除剤の研究に携わる。