鎧塚俊彦シェフ直伝!「バナナスフレ」の作り方【ときめき!くだものレシピ #3】
バナナの甘酸っぱさが引き立つふわふわスフレ
スフレといえば、小麦粉を使って生地をふっくらさせるスイーツを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ところが鎧塚シェフのスフレは、小麦粉を一切使わずに、メレンゲだけで焼き上げるのだそう。
「スフレの基本的な材料は、卵、グラニュー糖のたったふたつだけ。ヨーロッパで修業をしていた2000年ごろからこの配合で作りはじめて、今では僕の代表的なデザートのひとつになりました。スフレは、プライベートでもおもてなしによく作るんですよ。
「フランスではオーダーを受けてから、できたてをお出しするものをデザートといいます。都内の『Toshi Yoroizuka』の店舗でも、お客様の目の前でひとつひとつスイーツを作り上げ、できたてをすぐに召し上がっていただく“カウンターデザート”をご提供しています。
そのなかでも、スフレは特にお客様からの反応がいいんですよ。できたてアツアツの状態を楽しんでもらうに限るスフレは、もっともデザートらしいデザートといえるでしょう」
鎧塚シェフのカウンターデザートの代表格でもあるスフレ。さっそく作っていきましょう。
材料(3個分)
調理時間:30分(※焼成時間を含む)
・バナナ……1本
・卵……2個
・グラニュー糖……60g
・牛乳……小さじ2杯(10g)
〈カラメルソース〉
・グラニュー糖……大さじ2杯
・バター(無塩)……10g
下準備
・卵を黄身と白身に分ける
・焼き型にバター(分量外)を塗り、グラニュー糖(分量外)をうすくまぶす
・オーブンを200度に予熱する
作り方
1. バナナを切る
皮をむいたバナナをまな板の上に置き、包丁で幅1cmの輪切りにします。
2. 鍋にグラニュー糖とバターを入れて溶かす
鍋にグラニュー糖を入れて、そのまま30秒ほど中火にかけます。
「グラニュー糖を火にかけたら、絶対に混ぜないこと。混ぜると結晶化して、どれだけ加熱してもカラメルにはなりません。鍋を回しながら慎重にグラニュー糖を溶かしていくと失敗しづらくなると思います」
グラニュー糖に焦げ色がついたら鍋にバターを加え、中火でさらに30秒ほどかけて溶かします。
「絶対に焦がさないように注意してください。ポイントは、とにかくあまり混ぜないこと。ここではスパチュラなどを使わずに、鍋をゆすりながら溶かします」
3. 1を加えて絡める
グラニュー糖とバターがカラメル状になったら、焦げないうちにバナナを加えます。スパチュラを使ってバナナとカラメルを充分になじませ、バナナがしんなりとしてきたら火から下ろします。
「ここはスピード勝負。焦げないうちにバナナを素早く鍋に投入して、しっかりと絡めてださい」
4. 焼き型に3を入れる
事前にバターを塗ってグラニュー糖をまぶしておいた焼き型に、3を入れます。
5. 卵白を泡立て、グラニュー糖を加える
ボウルに2個分の卵白を入れて泡立て、メレンゲを作ります。最初は卵白だけを軽く泡立ててから、グラニュー糖を3回に分けて加えます。
「はじめからグラニュー糖を全部加えると、グラニュー糖が水を抱え込んで十分な空気が入りません。卵白が重くなって、うまく泡立たない原因に。3回に分けることで徐々に気泡が小さくなっていきます。全体にツヤが出てキメが細かくなってくるまで泡立ててください」
ツノが立つくらいの状態まで泡立てたら、メレンゲの完成です。
6. ボウルに卵黄と牛乳を入れて混ぜる
ボウルに卵黄と牛乳を入れて、混ぜ合わせます。
「卵黄と牛乳をしっかりと混ぜましょう。そうすると、このあとメレンゲと合わせるときになじみやすくなります」
7. 5に6を加えて軽く混ぜる
5に6を加えて、メレンゲの泡を潰さないようにサクサクと手際よく混ぜます。
「メレンゲと卵黄を十分に混ぜ合わせる作り方もありますが、僕のレシピは軽く混ぜるだけでOK。メレンゲの泡を十分に生かしたいので、ふんわりふんわり混ぜてください」
8. 4に生地を流し込む
バナナを入れた焼き型に素早く7を流し込みます。
「メレンゲの泡がしぼんでしまう前に素早く型に入れてください。1秒でも早くオーブンに入れることが大事です」
9. オーブンで焼く
200度に予熱したオーブンに8を入れて、約6分間焼成します。焼き上がったスフレの表面に、粉糖(分量外)をまぶしたら完成です。
「小麦粉を使っていないスフレは、焼き上がってから1分もしないうちにしぼんでしまいます。オーブンから取り出したら、1秒でも早くでき立てを味わってください」
ふわしゅわ!焼き立ての瞬間がおいしいバナナスフレ
驚くほどふんわりと軽いスフレは、口に入れると一瞬でとけてしまいました。ほろ苦くキャラメリゼしたバナナとの相性も抜群!スフレと一緒にバナナを口に運ぶと、スフレの甘さでバナナ本来の甘酸っぱさが際立ちます。
ふわふわな食感と奥行きのある味。そのバランスはじつに見事で、鎧塚シェフが自信を持っておすすめしてくれた理由がわかりました。
「今回はバナナを使いましたが、ほかの果物でも作れるのでぜひいろいろ試してみてください。たとえば甘味と酸味の強いパイナップルや桃、りんごなどを合わせてもおいしいと思います」
こんなデザートがおうちやおもてなしの席で出てきたら、かなりうれしいですよね!手早さが求められますが、作り方はそれほどむずかしくありません。焼きたてアツアツの瞬間が一番おいしいスフレを、ぜひ味わってみてください。
次回は、「フォンダンショコラ ラズベリーソース」をご紹介します。こちらもどうぞお見逃しなく!
取材協力
店舗名:ToshiYoroizuka TOKYO(トシ・ヨロイヅカ 東京)
電話番号:03-6262-6510
最寄駅:東京メトロ銀座線「京橋」駅直結東京メトロ有楽町線「銀座一丁目」駅徒歩5分都営浅草線「宝町」駅徒歩3分JR「東京」駅徒歩5分
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住所:東京都中央区京橋2丁目2-1 京橋エドグラン1F
市区町村:中央区
町域:京橋2丁目2-1 京橋エドグラン1F
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定休日:サロンのみ月曜定休
取材・文/千島絵里香
撮影/宮本信義