漫画家が課題を出されて困惑…!? 凄腕編集者が出した「観察せよ」とは?

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仕事や人間関係において、武器になる場面が多い“観察力”。観察力を開発したいと思う人がぜひ読むべきなのが、「”いい観察”と”悪い観察”の違いは何か?」という記事。

著者である佐渡島庸平氏はコルクというクリエイターのエージェント会社を経営していて、過去には講談社で『ドラゴン桜』や『宇宙兄弟』などの編集者を務めていた人物です。

佐渡島氏は、かねてより漫画家をはじめとするクリエイターには観察力が必要だと訴えてきたそう。記事では、編集者のキャリアの中で導かれた、観察力とは何か、そしてどのようにして伸ばすのかの詳細が語られています。

合理的なアプローチで観察力を伸ばす

観察力しかり、何か物事を考える際には辞書を引くという佐渡島氏。今回も例に漏れずに辞書から観察力の定義を明確にし、その定義から観察力に必要な要素を分解して説明しています。

この行動はあらゆる場面で重要だと感じるものの、なかなか実践がするのが難しいものでしょう。また、ビジネスシーンではできる一方、プライベートでは意識できないということもありえます。

例えば、ダイエットに取り組むとき。痩せるとはそもそもどのようなメカニズムなのか、またそのメカニズムをいくつかの要素に分解し、それらにアプローチする手段を検討して実行していくことが合理的なように思います。このステップを飛ばして糖質制限をやるといった手段ばかりにとらわれることは、効率を落とす可能性があるだけでなく、失敗したときの分析が甘くなってしまうかもしれません。

その点で、観察力を伸ばすために定義や要素分解からスタートして方法論につなげる佐渡島氏のアプローチは、飛ばしがちなステップに踏み込んで解説しているので、丁寧に理解を進めることができるでしょう。

いい観察と悪い観察の違いとは

また、佐渡島氏の経営するコルクには、羽賀翔一氏という漫画家が所属しています。佐渡島氏は羽賀氏にコルク社員の漫画を1日1ページ描いてもらうことで観察力を鍛えさせていたそう。しかし、狙いは観察力を伸ばすだけでなく、羽賀氏の成長を観察することで、佐渡島氏自身、観察力に対して理解を試みるところにもあったと語っています。

そのようなプロセスもあり、佐渡島氏は観察とはなにかの暫定解に辿り着きます。暫定解について、いい観察とは「ある主体が、物事に対して仮説を持ちながら、客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気付き、仮説の更新を促す」(※1)ことと説明。

佐渡島氏の観察力に関する記事はコチラ!

一方、悪い観察とは「仮説と物事の状態に差がないと感じ、わかった状態になり、仮説の更新が止まる」ことと述べています。

いい観察の暫定解を見た瞬間、その好例としてお笑い芸人が想起されました。彼らは客観的な物事の状態を知っているからこそ、そこからズレた言動に着目し、笑いのネタとして仮説を出力します。

日々の生活の中で、何か普通とは違う出来事にアンテナを張り巡らして、精度の高い観察を行うからこそ、人々の気づかなかった点にも目を配り、笑いを起こすことができるのかもしれません。

羽賀氏が観察力をどのように伸ばしていったかを描いた実例も含め、佐渡島氏の“観察力”の全貌は下記の記事からチェックできます。

【画像・参考】
※“いい観察”と”悪い観察”の違いは何か? | コルク佐渡島の『好きのおすそ分け』 - WISS
※LookerStudio/Shutterstock