AirMac

アップルがワイヤレスのバックアップ装置「AirMac Time Capsule」を販売終了してから3年以上が経過しましたが、まだ愛用している方も少なくないと思われます。そのTime Capsule内蔵のハードディスクに欠陥があり、データが破損する可能性があるとの警告が伝えられています。

この警告は、ドイツのデータ復旧企業Datenrettungが発しているものです。Time CapsuleにはSeagate社製のGrenadaドライブ(ST3000DM001 / ST2000DM001 2014-2018)が使われていますが、これらHDDには明らかな設計上の欠陥があり異常に高い故障率につながっているとのことです。

具体的には、これらHDDのパーキングランプ(一定時間ディスクへのアクセスがない時に、HDDのヘッドを自動的に外で待機させる「ヘッドパーキング」用の部品)は2つの異なる素材で構成されているとのこと。そしてTime Capsuleは通気性が悪いこともあり、遅かれ速かれパーキングランプが破損。それにより次にパーキングした際に書き込み/読み取りユニットが破壊され、大きく変形してしまうと述べられています。

さらにTime Capsuleの電源を再び入れたり、休止状態から復帰すると、変形した読み書きユニットが引きずられて、HDDのデータディスクが物理的に破壊されてしまうというわけです。

Datenrettungによると、この設計上の不具合が、これまでに発生したほぼ全てのTime Capsuleの故障の原因であるとのことです。データの復旧ができる場合もあるが「非常に高い労力」を必要とし、場合によっては完全には復旧できないこともあるとされています。

そしてDatenrettungはユーザーに対して、別のバックアップ方法を探すよう推奨しています。またおなじみの修理業者iFixitは、AirMac Time CapsuleのHDDをより信頼性の高いものに交換する方法を詳しく紹介しています。

AirMac Time Capsuleは8年前に発売された製品ながらも、2TBや3TBといった現代でも少なくない容量を備えており、データが破損したときのダメージは大きいはず。不調に思い当たりがある人は、今すぐに行動を起こした方がいいかもしれません。

Source:Datenrettung

via:9to5Mac