なぜネコは「足でふみふみしてくる」のか?
ネコを飼ったことのある人の中には、「飛び乗ってきたネコが体を足でふみふみしてくる」という経験をした人も多いはず。この「足でふみふみする」という不思議なネコの習性について、テネシー大学獣医学部のジュリア・オルブライト准教授が解説しています。
Why do cats knead with their paws?
https://theconversation.com/why-do-cats-knead-with-their-paws-156254
kneadingは生まれたての子ネコも行う行為です。子ネコはまだ目も開かないうちから母親の腹部をこね、「空腹だからミルクを飲みたい」というサインを伝えます。
Two kittens nursing and kneading - YouTube
この際、kneadingを行うと同時に通常は「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。この喉鳴らしは喉の筋肉を高速で振動させて生み出されている音で、子ネコが行うのは親ネコの注意を引くためだと考えられています。
猫が喉を鳴らすことにはどんな意味があるのか? - GIGAZINE
子ネコは約2カ月で授乳期間を終えますが、その後もkneadingは行い続けます。その理由について、オルブライト准教授は「子ネコがお乳を吸ったり眠ったりするのと同じように、落ち着きと満足を感じており、ゆっくりしようとしている」という説を支持しているとコメント。ほかにも、「ネコは指の間に臭腺と呼ばれるフェロモン分泌器官を有しており、この臭腺で寝床に自分の香りを付けている」という説もあるそうです。
また、オルブライト准教授はkneadingは「ネコと人間のコミュニケーションの一形態」と表現。人類と数千年にわたって共存してきたイヌの感情表現が豊かで分かりやすいのに対し、ネコは「あなたのことが好きです」と伝える手段に乏しいと指摘しています。また、kneadingについては「通常は好きな人の近くで行う行為です。あなたのネコがあなたのそばにいることを喜んでいるというささやかな瞬間に気づくことが大切です」とコメントしています。