猛毒を持つ「モザンビーク・スピッティング・コブラ」(画像は『TimesLIVE 2021年5月22日付「Eina! Four-year-old recovers after cobra bites his face during SA holiday」(Image: JPRAS Open)』のスクリーンショット)

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オランダから南アフリカのサファリツアーに参加した4歳男児が、睡眠中に「モザンビーク・スピッティング・コブラ(Mozambique Spitting Cobra)」に噛まれ重傷を負った。このコブラ南アフリカではよく見られ、猛毒を持つ“非常に危険なカテゴリー”に分類されている。メディカルジャーナル『JPRAS Open』に投稿されたケースを『TimesLIVE』などが伝えた。

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平均体長1メートルほどの「モザンビーク・スピッティング・コブラ」は、神経細胞を侵す猛毒を持つことで知られており、噛まれると神経系に作用して患部が腫れ、麻痺などを引き起こす。また敵の目を狙って猛毒を3メートル先まで噴射することもあり、視力障害や失明に繋がるケースもある。

そんな危険なコブラに、オランダ人の4歳男児が噛まれ重傷を負った。男児は家族と一緒にサファリツアーに参加しており、睡眠中に右目のすぐ下を噛まれたという。

男児は地元の病院に搬送されて抗毒素を投与され、12日間の入院を経てオランダのユトレヒト大学病院のメディカルセンターに転院した。

同センターで治療にあたったウィレム・リンケル医師(Willem Rinkel)によると、男児は右頬が麻痺し、右下瞼の筋肉が弛緩しており、顔が腫れて激痛に苦しんでいたという。

リンケル医師は「男児はコブラの神経毒により顔の一部が麻痺していました。もし眠っていなかったら、失明していた可能性もあるでしょう」と明かし、オランダで行われた治療について次のように語った。

「我々はまず、男児の皮下に溜まった膿瘍を抜き取るために右頬を2度切開しました。しかし頬の腫れは引いたものの皮膚が硬くなり、感覚が鈍くなったようです。」

「最も効果的だったのはマイム・セラピー(mime therapy)で、顔の筋肉をほぐすためのマッサージや呼吸の仕方の指導、筋肉収縮運動などにフォーカスしてリハビリを行いました。これにより男児は、約7か月で右目の開閉ができるようになり、21か月後には顔が左右対称に戻りました。」

なお世界保健機関(WHO)の今年5月の報告によると、推定で毎年540万人がヘビに噛まれる被害に遭っているそうだ。そのうちの約8万1千人〜13万8千人が命を落とし、身体の一部の切断や長期にわたる健康被害に苦しむ人は亡くなる人の約3倍の数に上るという。

ちなみに昨年11月には、猛毒のヘビに噛まれたオーストラリアの9歳少女が、テレビ番組で学んだ素早い応急処置と冷静な対応で命を救われたことが報じられた。

画像は『TimesLIVE 2021年5月22日付「Eina! Four-year-old recovers after cobra bites his face during SA holiday」(Image: JPRAS Open)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)