ブラジルのサンパウロ州に本拠地を置く消費者保護規制当局のPROCON.SPが、2020年にリリースされたiPhone 12シリーズには電源アダプタが付属していないとして、Appleに対して1050万レアル(約2億1000万円)の罰金を科しました。

Brazil fines Apple over lack of charger in iPhone 12 box - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2021/03/20/brazil-agency-fines-apple-iphone-12-charger/



Brazil regulator fines Apple $2 million for not including chargers with iPhone 12 - The Verge

https://www.theverge.com/2021/3/20/22342051/brazil-regulator-fines-apple-2-million-chargers-iphone-12

PROCON.SPは2020年10月、AppleがiPhone 12に電源アダプタを付属していないことについて調査を開始しました。AppleはiPhone 12に電源アダプタを付属しない理由を、「環境への負荷を軽減するため」と説明していますが、PROCON.SPは2020年11月に「Appleは電源アダプタを付属しないことでどのような環境上の利益が得られるかを実証しなかった」と述べています。

さらに、PROCON.SPはAppleに対して「電源アダプタを付属しないことでiPhone 12の販売価格が下がったか?」「電源アダプタが付属する場合と付属しない場合でiPhoneの販売価格はどれくらい異なるのか?」「電源アダプタを付属しなくなったことで、電源アダプタの生産数が減少したのか?」などについて問い合わせしたそうです。しかし、Apple側からの返答はなかった模様。



「iPhone 12に電源アダプタが付属していない」問題とは別に、PROCON.SPはAppleが「誤解を招く広告」「iOSのアップデートに関する問題」「不公正な条件」といった問題を抱えていると指摘しています。具体的には、「水没したiPhoneの修理を行わなかった」ことや「アップデート後のiPhoneで発生した問題をサポートしなかったこと」などが挙げられており、PROCON.SPのエグゼクティブディレクターを務めるフェルナンド・カペス氏は、「Appleはブラジルの法律と制度を尊重する必要があります」と警告しています。

AppleはPROCON.SPの問い合わせに応じることがありませんでしたが、PROCON.SPの科す罰金を不服とする場合には裁判所に対して控訴することができます。

なお、海外メディアのThe VergeがAppleに対して今回の罰金に関するコメントを求めていますが、記事作成時点では返答を得られていません。