高速を降りずに人を東京駅まで送り届けることができる!

 環状線のC1、C2、放射線の1号〜11号(8号は欠番)、湾岸線に神奈川線etc.と、いろいろ複雑なレイアウトで、路線長が337.8kmもある首都高速。首都圏在住のドライバーでも、利用頻度の高い路線はくわしいが、縁の薄い路線のことは意外にしらない……。

 そうしたなか、けっこう知る人ぞ知る存在なのが、八重洲線の「八重洲乗客降り口」。

 都心環状線(C1)をショートカットするようなカタチになる八重洲線自体がマイナーな存在だが、その八重洲線から直接入場できる東京駅八重洲パーキングに隣接する、降車専用の停車スペースが「八重洲乗客降り口」だ。

 ここは文字通り、同乗者を降ろすためのスペースで、ここから乗車はできないが、首都高を出ることなく人を送り届けられるという便利な場所。

 ここは八重洲の地下街の直下で、階段を上ればそのまま地下街に出られて、東京駅にも直結。

首都高を使ってどこかから戻ってきて、東京駅などを利用する同乗者を降ろして、自分はそのまま首都高で帰る」といった使い方ができるので、けっこう重宝する場所なのだ。

 都心環状線の池袋・新宿方面からは、東京駅八重洲パーキングの東駐車場に、渋谷・羽田方面からは西駐車場に向かって本線から分岐すると、駐車場のゲートの手前に「駐車場」と「八重洲乗客降り口」の方向を示す矢印の看板が出てくる。

 この看板にしたがって進むと、車2台分程度のスペースちょっと狭い車寄せがあるので、ここで人を降ろせるという仕組み。

 人を降ろしたクルマは、そのまま直進すると再び八重洲線に合流。追加料金などは一切不要だ。

 一方、降車した人は看板にしたがって、八重洲地下街・東京駅方面出口に歩いて行く。暗くて殺風景で人気がなく、おまけに出口の扉には「一度出たら戻れません」という注意書きがあるので、ちょっと不安になるかもしれないが、その扉を開けて階段を上ると八重洲の地下街にひょっこりと出られるのでご安心を。

 前記の通り、上下線どちらからでも利用できて、24時間利用可能!

 ただし、地下街につながる出口のドアは、午前0時30分から午前4時00分まで閉鎖され、閉鎖中は別途、八重洲駐車場に繋がるドアから出るカタチになる。

 乗車はできないスペースなので、お迎えには使えないが、降車オンリーでも覚えておくとけっこう使える、首都高の隠し扉のような施設だ。