13歳の新婦と48歳の新郎(画像は『Daily Star 2020年11月16日付「Child bride, 13, forced to marry 48-year-old man and care for kids same age as her」(Image: ViralPress)』のスクリーンショット)

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結婚の見返りに得られるお金や支援を目的に、女児が18歳未満で結婚する児童婚のニュースがあとを絶たない。このたびフィリピンから、48歳の男性が13歳の妻を迎えたことを『Mirror』『The Sun』などが伝え物議を醸している。

フィリピン南部ミンダナオ島マギンダナオ州ママサパノで10月22日、48歳のアブドゥルラザク・アンパトゥアンさん(Abdulrzak Ampatuan)と13歳女児の結婚式が執り行われた。女児は伝統的な白のガウンを身にまとい、一日を通して行われた式で家族らの祝福を受けた。

農業で生計をたてているアブドゥルラザクさんにとって女児は5番目の妻となり、35歳も年が離れた新妻について尋ねられると、次のように語ったという。

「私は本当に幸せ者だよ。だって彼女は私と生涯を共にするだけでなく(別の妻との)子供たちの世話をしてくれるんだから…。ただ教育は必要だから、彼女が学校を卒業するまでは私が授業料を支払う。そうして20歳になったら子供を作るつもりだ。」

実はアブドゥルラザクさんには13歳の子供がおり、この女児は自分と同じ年齢の子の世話を強いられることになる。

『The Sun』によると、アブドゥルラザクさんは結婚から3週間後、13歳の妻と暮らすために小さな家を建てており、女児は父親とほぼ年齢が変わらない夫について、胸のうちをこのように吐露した。

結婚は怖いとは思わなかった。だって彼はとても優しいもの。ただ私は料理が上手くないから、これから学ばないといけないわね。夫を幸せにしたいの。」

ちなみにイスラム教徒がほとんどを占めるママサパノ地区では、シャリーア(イスラム法)のもと「月経(初潮)が始まった女児との結婚は合法」との考え方が根強く残っており、児童婚は珍しくない。しかしながらこのニュースには「悲しい現実」「無理やり結婚させられたのだろうが、それを嫌だと思わないところが怖い」「児童婚は犯罪だと思う」といったコメントや、「貧困の連鎖をなんとか絶たなくてはならない」と早急な対策の必要性を訴える声があがった。

「ユニセフ(UNICEF:国連児童基金)」の2017年の調査によると、フィリピンでは女児の15%が18歳の誕生日前に、また2%は15歳の誕生日前に結婚しており、児童婚の数は72万6千件にもなるという。ユニセフは「児童婚に対して何らかの対策を取らなければ、2030年までに世界で1億5,000万人以上の女児が18歳の誕生日前に結婚することになるだろう」と推測しており、児童婚を廃止するための法や政策の整備、地域の人々への教育や支援を訴えている。

画像は『Daily Star 2020年11月16日付「Child bride, 13, forced to marry 48-year-old man and care for kids same age as her」(Image: ViralPress)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)