共信印刷による事業所撤退・解散の発表/画像は公式サイトより

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同人誌即売会「コミックマーケット」のカタログを第1号創刊から長年制作していた老舗印刷会社・共信印刷が、事務所撤退および解散を発表した。

【同人誌印刷の老舗「共信印刷」が撤退、解散へ コミケカタログ創刊から手がけるの画像・動画をすべて見る】

発表では「諸般の事情により、2020年10月中旬に本社事務所を撤退し、解散する方向となりましたので、ご報告します」と説明している。

同社では8月、9月11日をもって同人誌印刷の扱いを休止すると発表しており、同人誌即売会の参加者や作家の間から、その動向が注目されていた。

同人誌印刷の扱い休止を経て 共信印刷が解散へ



共信印刷は1974年創業。前身の丸和印刷所から名称および組織を変更を経て設立された。

「コミックマーケット」の参加者がブースごとに掲載されたカタログを第1号から制作。冊子版は印刷会社が変わったが、DVD-ROM版は現在に至るまで担当している。

同社は2月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、中国工場で製造していた商品の納期が遅れると発表。

7月には秋葉原店舗の閉店や、それに伴うオンデマンド印刷・ポスター印刷の受注の中断を告知していた。

同人誌印刷の休止を発表した際の文面/画像は公式サイトより ※加工は編集部

その後8月には同人誌印刷の扱いの休止を決定。それらを経た今回の撤退・解散は、関係者や利用者には衝撃が広がっている。

同時に、今後の「コミケ」のROM版カタログはどうなるのか──イベント参加者からも心配の声が上がっている。

規制緩和で前向きも課題は「新刊が増えるか」

コロナ禍でイベントの中止や延期が続いていた同人誌即売会。2020年はすでにコミケが一度も開催されない年になることが決まっている。

一方で、他の即売会は存続に向けた動きも活発だ。「COMITIA(コミティア)」や「サンシャインクリエイション(サンクリ)」ではクラウドファンディングを実施。



ファンや参加者、漫画家、イラストレーター、出版社から多くの支援が集まっている。

9月11日には政府からイベントの人数規制の緩和が発表、即売会も徐々に開催の見通しが立ち始めた状況だ。

しかしながら、印刷会社にとっては、イベントの開催の有無に加え、そこで頒布される新刊同人誌がどれだけつくられるかの影響が大きい。

まんが評論家・同人誌研究家の三崎尚人さんは10月、KAI-YOU.netのインタビューにおいて、現状をポジティブに捉えつつも「新刊の数はまだまだ少ない印象」と分析。

その上で、「創作は心が平穏じゃないと難しい面がある」と作家を取り巻く環境を説明しつつ、「どうすればサークルが新刊をつくる状況になるのか?」と今後の課題を語っている。