遺体安置室で息を吹き返した81歳女性(画像は『LADbible 2020年8月19日付「Pensioner ‘Comes Back From The Dead’ After Waking Up In A Morgue」(Credit: East 2 West News)』のスクリーンショット)

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手術後に心肺停止で死亡宣告を受け、遺体安置室に運ばれた81歳の女性が息を吹き返した。病院のスタッフに発見された女性は別の病院で再び手術を受けたが、1週間もたたないうちに死亡していたことが明らかになった。最初の死亡宣告は医師のミスだったのか、もし治療が継続されていたら女性は助かったのか…。家族は病院を相手に訴訟を起こす構えでいる。『The Independent』『LADbible』などが伝えた。

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ロシア南西部クルスク州にあるゴルシェチェンスキー・セントラル地区病院(Gorshechensky central district hospital)で今月13日、医師によってジナイダ・コノノワさん(Zinaida Kononova、81)の死亡が確認された。ジナイダさんは腸閉塞の手術で腫瘍を摘出した直後に容態が急変。家族は医師の死亡宣告を受け、すぐに葬式の準備を始めた。

ジナイダさんの遺体が遺体安置室に運ばれたのは14日の午前1時10分で、女性スタッフが異変に気付いたのは約7時間後の午前8時頃だった。テーブルの上に置かれているはずのジナイダさんの遺体がなく「まさか」と思って近づいた女性スタッフは、ジナイダさんの遺体が床に大の字になって転がっているのを発見したのだ。実はジナイダさんは生きており、テーブルから降りようとして着地に失敗し、床に手足を伸ばしたまま動けなくなっていたのだった。

ちょうどその時、救急車の運転手が遺体安置室のそばを通りかかり、室内から「おばあちゃん、寝てちょうだい。おばあちゃん、静かにして」と叫ぶ女性の声を聞いた。運転手が「遺体と話をしているなんて、気が狂ってしまったのでは?」と部屋の中を覗くと、亡くなったはずのジナイダさんが女性スタッフの手を握って助けを求めている姿が目に飛び込んできた。

まさかの事態にジナイダさんは、ブランケットにくるまれてクルスク州の別の病院の集中治療室へと運ばれ、再度手術が行われた。また死亡宣告をした病院は、ジナイダさんの姪のタチアナさんに「異常な事態が発生しました。ジナイダさんは生きています!」と電話を入れた。

タチアナさんは叔母が生きていたことを嬉しく思う一方で、「一体何が起こったのだろう」と酷く困惑しながら病院へと向かった。タチアナさんは病院でのことを「叔母は私が姪だと認識できず、手術を受けたことも覚えておらず、若い時に怪我をした膝のことを話し始めたのです」と語っており、ジナイダさんが酷く混乱していたことを明かしている。

その後、ゴルシェチェンスキー・セントラル地区病院の医師と麻酔科医は、死亡宣告後の規定である2時間を待たず、1時間20分後にジナイダさんを遺体安置所に運んだことを認めている。また病院長は「腫瘍摘出後に心肺停止状態となったジナイダさんの蘇生措置には30分間をかけた。それでも蘇生できず死亡と判断した」と当時の状況を語った。

一方で2度目の手術を受けたジナイダさんは、記憶も戻り回復の兆しを見せていたが再び容態が悪化し、最初の手術から1週間を待たずに死亡している。

この件については地元警察が調査を開始しており、主治医は停職処分となっている。またジナイダさんの遺族は、ゴルシェチェンスキー・セントラル地区病院を相手に訴訟を起こす構えでいるという。

ちなみにインドネシアでは今月5日、棺の中の遺体の手指が動く様子が捉えられ「怖すぎる」と話題となった。ただこのケースは、腐敗の一過程であり決して珍しいことではないそうだ。

画像は『LADbible 2020年8月19日付「Pensioner ‘Comes Back From The Dead’ After Waking Up In A Morgue」(Credit: East 2 West News)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)