1)遠藤保仁152試合、2)長友佑都、井原正巳122試合、4)岡崎慎司119試合、5)川口能活116試合、6)長谷部誠114試合、7)中澤佑二、吉田麻也100試合、9)中村俊輔、本田圭佑98試合……

 上記は日本代表通算出場回数(キャップ数)のトップ10だが、暇に任せてそのランキングを改めて眺めて見た。

 選手のステイタスを示すバロメーターだ。サッカー界にプロ野球のような名球会を作るなら、このデータを基準にするのが一番だろう。もっとも世界的には、この数よりチャンピオンズリーグ(CL)出場回数の方が権威的だ。代表キャップ数を国内基準とするなら、CL出場回数は世界基準。CLの肥大化と共にその傾向は増している。

1)香川真司33試合、2)内田篤人29試合、3)長友21試合、4)中村俊17試合、5)本田11試合、6)小野伸二9試合、7)南野拓実、岡崎、稲本潤一7試合、10)長谷部、伊東純也6試合……

 CL出場回数トップ10は上記の通りだが、この数に日本代表キャップを加えてみると、評価はよりフェアになるのではないかと考え、計算したものをランキング化してみた。

1)遠藤152試合、2)長友143試合、3)香川130試合、4)岡崎126試合、5)井原122試合、6)長谷部120試合、7)中村俊115試合、8)本田109試合、9)内田篤人103試合、10)中澤、吉田100試合……となる。

 だが、この11人を追いかける選手は見当たらない。現代表で最もキャップを持っているのは酒井宏樹の61試合。CL出場の経験もない現在30歳の選手が、その数を「100」に届かせることは簡単ではない。どんなに頑張っても3〜4年は掛かる。

 それを、原口元気(53試合・29歳)、山口蛍(48試合・29歳)、柴崎岳(45試合・28歳)、大迫勇也(45試合・30歳)等が追いかけるが、歴代トップ10に食い込むためには、遠藤ではないけれど、30歳半ば頃まで代表に選ばれ続ける必要がある。

 代表キャップ93。中澤、吉田に続くのは今野泰幸だ。日本代表の中心としてあるポジションを長い間、守ってきたわけではない。いろんな場所で使われてきた便利屋だ。しかし、それでも93試合に出場した。一流選手としての地位を築いた。表彰したくなる選手だ。

 ランキング1位の遠藤は、26歳で迎えた2006年ドイツW杯では、フィールドプレーヤーの中で唯一、出場機会を与えられなかった。そこから約110回も出場を果たしている。聞いたわけではないけれど、その時の屈辱がエネルギーの源なのだろう。40歳を迎えた今季も、開幕戦でスタメンフル出場を果たしている。

 Jリーグで遠藤と似たような関係にあるのが現在39歳の中村憲剛だ。こちらは昨季、左膝全十字靱帯を手術。リハビリに勤しむ毎日だと聞くが、遠藤以上に若々しく見える選手だ。しかし、遠藤が152のキャップを持っているのに対し、中村憲剛はその半分にも満たない68試合だ。実力の割には物足りなく見える。遠藤とはタイプは違うがともにパッサーだ。代表では、キャラが被ってしまったことに原因がある。

 実力を考えるとキャップ数が少ない選手。実力のバロメーターであるはずのJリーグの出場記録と、その数にギャップがある選手は、少なくない。

 29歳で引退に追い込まれた中田英寿はその一番の存在になる。代表キャップは77試合。本来ならトップ10内に収まっているべき選手だ。

 43試合の闘莉王も少なく感じる。2010年南アW杯でコンビを組んだ中澤の100試合という数字と比べるとそれは顕著になる。ザッケローニとの相性が悪かったということになる。

 56試合の小野伸二も少ない。CL出場を加えても65試合である。日本サッカー史の中で最も巧かった選手にとって、惜しまれるのはシドニー五輪予選対フィリピン戦で負った怪我だ。あれがなければ、100を超えていたに違いない。