ユーザーの洗車頻度の減少が大きな理由のひとつになっている

 STAY HOME週間だった今年のゴールデンウィーク。「三密を避け、屋外で愛車の洗車でも」と思った人も多いはず。そうしたとき、かつてあったコイン洗車場がかなり減少していることに気付いたのでは?

 なぜ、コイン洗車場は減ってしまったのか。第一の理由は、ユーザーの洗車の頻度が減ってしまったためだ。

 かつては「1カ月に一度の洗車」は当たり前のように言われていたが、各種の調査によると、いまは年に2〜6回という人が4割近くで一番多い。また、経済産業省の所管する独立行政法人中小企業基盤整備機構の資料を見ると、コイン洗車場の利用経験者の23%が「利用経験あるが、現在利用していない」と答えていて、リピート率が低いことが明らかになっている。

 また、

・利用客は土日に集中する

・天気に左右されやすい。天候の悪い2月や6月は売り上げが落ちる

・周辺の住民から汚水、騒音などによる苦情が多い

 といったことも、コイン洗車場経営のデメリット挙げられており、これらも新規出店の見合わせ、そして廃業などへつながっていると考えられる。

コイン洗車機の商売としてのうまみが減っている!

 さらに近年、ガソリンスタンドの洗車機が高性能化、高機能化していて、傷をつけないスポンジブラシで洗浄力も高く、しかも安価になってきた影響も大きい。

 一方で、こだわる人はコーティングやプロの手洗い洗車を頼む傾向もあり、中途半端なコイン洗車場の存在感が薄くなってしまったというのもある。ユーザーとしても、新車のうちは熱心に洗車をするが、クルマが古くなってくると洗車意欲も……。そして今は新車が売れない時代でもある。

 かつては、遊休地を活用して比較的小資本で開業でき、無人サービスなので、人件費・管理費コストが低いなどのメリットもあったコイン洗車場だが、結論からすると、上記のように商売としてのうまみが減って、廃業するところが増えてきたのだろう。

 なお、洗車場は廃業したあと、土壌汚染により土地の再利用ができない(土壌消化の費用がかかる)こともネックになっているともいわれているが、洗車場は特定有害物質を使用する施設に当たらないので、土壌汚染対策法第3条による土壌汚染調査の対象になることはない。