ベンジャミン・ウィッテ氏が、自身の飲料ブランド、リセス(Recess)について新興の帝国であるかのように語るとすれば、それは、飲料分野の大手企業に共通する広範な野望に気付いているからだ。

ウィッテ氏は、米DIGIDAYの兄弟サイトであるモダン・リテール(Modern Retail)のポッドキャストで次のように語った。「レッドブル(Red Bull)は、缶飲料の販売を通じてマネタイズするアクションスポーツコミュニティ向けメディア企業だ。レッドブルがアクションスポーツコミュニティに、また、ゲータレード(Gatorade)がスポーツ選手にそれぞれ話しかけているのと同じように、我々はクリエイティブに話しかけている」。

そのために、気持ちを落ち着かせるCBD(カンナビジオール)入りのフルーツ味の炭酸水を販売するリセスは、(インフルエンサーの助けを借りずに)人を引き付けるオンラインコンテンツや商品、「現実世界での体験」の展開を計画している、とウィッテ氏はいう。

リセスは2018年後半に創業され、新型コロナウイルスによる危機でもペースダウンしていない。ウィッテ氏によれば、eコマース売上高は5倍に増えたが、小売りは予想どおりに減少しているという。「誰もマンハッタンにいない。売り上げの多くは、ランチ目当ての客やオフィス客、コーヒーショップの客によるものだ。それがなくなった。規制の問題でターゲット(Target)やウォルマート(Walmart)にもまだ進出していない。だから、客足がある多くのところから利益を上げられない」。

ウィッテ氏は、CBDの影響や、未経験での小売り分野への進出、ラクロワ(LaCroix)の代わりにディズニー(Disney)に目を向けている理由について語った。

この記事では、そのインタビューのハイライトをお届けする。なお、読みやすくするため、以下の本文には若干の編集を加えている。

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──リセスが「CBD」を前面に押し出していない理由は?

「どこが最大手のカフェイン企業か? それは、スターバックス(Starbucks)やレッドブル、そしてモンスターエナジー(Monster Energy)だ。これらの企業はカフェインではなくフィーリングを売り込んでいる。私が見出した機会は、原料そのものではなく、CBDによって解き放たれるフィーリングを軸にしたブランドの構築だった」。

──インフルエンサーマーケティングは行われていない。

「我々が生み出すコンテンツ体験づくりに限られた資金を配分することに注力したかった。基本的に、毎日そうすることによって我々をクールにする。クリエイティブとつながるためには、創造的でなければならない。レッドブルがアクションスポーツコミュニティに、また、ゲータレードがスポーツ選手にそれぞれ話しかけているのと同じように、我々はクリエイティブに話しかけている。だから、クリエイティブに金を払って、リセスはすばらしいと人々に言ってもらう代わりに、生み出すコンテンツと体験によって我々自身が創造的なのだ。それが戦略のようなものだ」。

──缶を超えた「ブランド」がすべて

「飲料が世界中でブランドマーケティングにもっとも左右される分野なのは、利用や購入の頻度が極めて高いという独特な特性があるからだ。毎日購入する可能性がある製品はほかにない。それが、ブランドマーケティングを重視した戦略につながっている。コカ・コーラ(Coca-Cola)、レッドブル、ゲータレードはいずれも、フィーリングを売り込み、特定のコミュニティに合わせて、実用的なメリットがあるつながりを作っている。それに、実質的にはメディア企業だ。レッドブルは、缶飲料の販売を通じてマネタイズするアクションスポーツコミュニティ向けメディア企業だ。それが、レッドブルに対する私の見方だ。私が目にしたのは、もっとも最近成功した飲料ブランドは、マーケティングは平凡だが成功したということだ。ラクロワはただのブランドではなく、有名ブランドだ。リストをずっと下まで見ていくことができる。この10年でもっとも刺激的な飲料ブランドはどこか? それほど多くはない」。

──とにもかくにも規制

「リセスがいま、Amazonやすべての場所で入手できない理由はただひとつ、CBDをめぐる規制が不明だからだ。CBDをめぐる規制が明らかにされていたら、リセスは今頃、桁違いに大きくなっていただろう。私は擁護者だ。グロッシアー(Glossier)のエミリー氏など一部の創業者が、いまのところAmazonで販売したくない理由はわかる。だが、飲料は違うタイプの製品だ。毎週、自宅用に購入するものだ。それに、(Amazonが)ブランドにダメージを与えるという考えは受け入れられない。ブランドが十分強力であれば、自立できる。リセスは、ニューヨークの食料雑貨店で築かれた。リセスは文字どおり、街角のすべての店にある」。

Pierre Bienaimé(原文 / 訳:ガリレオ)