by NomadSoul1

映画を観ていて、スリリングな展開や派手なアクションシーンでハラハラドキドキした経験がある人は多いはず。実際に映画を鑑賞中の人の心拍数などを調査した実験により、「映画を観ることが人の心臓に与える負荷は、軽い運動に匹敵する」ことが判明しました。

Vue Report - The Benefit of Getting Lost

(PDFファイル)https://drive.google.com/file/d/1kIAF93ObXra97lQdsx5wKwCv1CmB8I__/

Sitting in the cinema 'counts as a light workout', scientists find | Daily Mail Online

https://www.dailymail.co.uk/health/article-7880933/Sitting-cinema-counts-light-workout-scientists-find.html

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンの神経科学者ジョセフ・デヴリン氏らの研究チームは、多国籍映画会社Vue Cinemasの出資により、映画鑑賞が人体にもたらす影響を調べる実験を行いました。

研究チームはまず、実験の参加者77人のうち51人を実験グループとし、心拍数や体温などを計測するセンサーを身に付けた状態で映画館に行き、2019年に公開された実写映画「アラジン」を観てもらいました。そして、残る26人の対照グループには、同様にセンサーを付けた状態で小説を読んでもらい、両グループの身体データを測定しました。



実験終了後に、研究チームが実験グループと対照グループのデータを比較したところ、映画を観た参加者らの心臓は軽度の運動に相当する心拍数を記録していたことが判明。実験グループの参加者の心拍数は、ピーク時には最大心拍数の40〜80%に達していたとのことです。

デヴリン氏はこの結果について「映画を1本観た参加者の心臓は、上映時間約2時間のうち平均して40分間ほど『健康的な心臓ゾーン』と呼ばれている心拍数に達していました。これは負荷としては非常に軽いものですが、早歩きなどの低強度な有酸素運動に匹敵し、脂肪を燃焼させるのに役立ちます」とコメントしました。

また、研究チームは映画が体だけではなく精神にもポジティブな影響を与えることを発見しました。実験グループの参加者に実施したアンケートの結果、55%の参加者が視聴により高揚感を得るとともに、「心の癒やしになる」と感じていたとのこと。また、45%の参加者が「映画鑑賞後に元気づけられた」と答えました。



さらに、映画を視聴した参加者の45%が「超越的な体験をした」と回答したほか、参加者の4分の3にあたる75%が「ほかのことを忘れて完全に没頭してしまった」と感想を述べました。



デヴリン氏は「集中力と注意力を維持する能力は、精神的な回復力を身に付ける上で重要な役割を果たします。しかし、現代人はスマートフォンなどのデバイスやソーシャルメディアに気を取られて、何かに集中する機会を劇的に失いつつあります。スマートフォンをオフにして、しばらくの間映像とストーリーに没頭できる映画館での体験は、注意力を持続させ、必要な時に集中力を発揮する能力を養う助けとなるでしょう」と話しました。