ユーザーによるプロダクト販売・転売のためのプラットフォーム企業が競争力を保つためには、信頼できる真贋認証が必要不可欠だ。特にハンドバッグのような高級アイテムの売買では重要となる。しかし同時に、販売者側からすると、取引がどれだけ簡単か、支払いがどれだけスピーディに受け取れるかを基準にプラットフォームを選ぶことが多い。日本とアメリカで稼働する転売プラットフォーム、メルカリ(Mercari)がメルカリ・オーセンティケイト(Mercari Authenticate)をローンチしたのもこの理由からだ。

メルカリによる最初の商品の認証サービスは、11月中旬にソフトローンチされ、12月中旬にフルローンチした形だ。販売者たちがハンドバッグの全体を写す複数の画像をアプリ経由でアップロードしたあと、認証サービスがリモート形式で認証を行う。この認証はメルカリのサードパーティ認証チームによって行われ、販売者が発送するまでに認証(もしくは非認証)が完了する、という流れだ。メルカリのコミュニケーション部門ディレクターであるブラッド・ウィリアムズ氏は、これによって認証時間が1週間からたった48時間へと短縮されると述べた。

転売プラットフォームたちは、それぞれに特色はあれど究極的にはどこも同じサービスを販売者に対して行っている。手数料の割合、そしてプロダクト販売にかかる時間、が差別化のポイントとなっている。転売プラットフォームたちはこれまで、さまざまな手法を試みてきた。直接商品を見てスタッフによる認証サービスとドロップオフ・ロケーションを使ってプロダクト認証の時間を削減しようとしたのがストックX(StockX)だ。メルカリにとって、今回の新しいデジタルサービスでポッシュマーク(Poshmark)やリアルリアル(The RealReal)といった競合から顧客を奪うことが狙いとなっている。

「販売者、購入者両方にとってプロセスをより容易にすることが、もっとも重要だ」と、オーセンティケイトのプロダクトマーケティングリーダーであるロクサーン・デュカ氏は述べた。

一見、リスキーに思える決断

ウィリアムズ氏は、メルカリの最大のカテゴリーがファッションだと語る。今回のサービスはモバイルアプリで11月に利用可能になった。これによってハンドバッグをアプリ上で認証してもらい、販売することがユーザーにとって可能になった。ユーザーはモバイルへすでに保存されている画像をアップロードすることができず、アプリ内でカメラを起動し、新しくその場でプロダクトの写真を撮る必要がある。アプリ内のカメラ機能では独自の指示と日時を表す表示がされ、ほかのプロダクトの画像を転用することができないようにしている。

アップロードが求められる画像では、ロゴ、シリアル番号、タグ、といった部分がフォーカスされる。そしてリアル・オーセンティケーション(Real Authentication)という会社からのサードパーティ認証チームによって評価される。彼らはラグジュアリーハンドバッグに特化しており、メルカリアプリ経由で販売者と直接やりとりをし、必要であれば追加の画像を求めることができる。

転売プラットフォームたちが認証プロセスで、安易な近道を取ろうとしているのではないかと、顧客たちの懸念が大きくなりつつあるなか、リモートでの認証へと踏み切る決断はリスキーと言える。リアルリアルは認証する資格や技術を持っていないコピーライターたちを起用してプロダクト認証を行っていたことが報道され、大きな批判を集めた。メルカリのほかにも、販売者がアップロードする画像を使って認証を行う転売プラットフォームにはトレージー(Tradesy)がある。彼らは99%の正確性を持っていると主張する。リアルリアルは最近になり、10億ドル(約1090億円)の価値評価に達した。トレージーは7000万ドル(約76億円)以上の資金調達に成功している。メルカリは昨年、220億円(2億200万ドル)を稼いだと報道されている。

認証を与えないこともある

プロダクトを直接触って認証することの重要性を転売業界の認証業者たちは語ってきた。たとえば、ストックXの認証業者のひとりであるセバスチャン・サック氏は、スニーカーを認証するにあたりもっとも重要な要素に、持ち上げたときの重さ、丈夫さ、プロダクトの構造を見ることを挙げている。

「革の触り心地は、偽造するのがもっとも難しい点のひとつだ」と彼は述べた。

ゴート(GOAT)のCEOであるエディ・ルー氏は匂いも重要な要素だと語った。偽物は本物と比べると全く異なる匂いがすると言う。

メルカリのオーセンティケイト事業プロダクトマネージャーのローラ・ファーマン氏は、リモートで認証を行うことで質や認証プロセスの完全性に損失はないという。もしも偽物が認証プロセスを通過してしまった場合、返金が保証されていると述べた。

「外部の認証パートナーたちを選ぶプロセスで、(デジタルでの認証が実行可能かどうか)について議論した。最終的には100%、科学的に立証できるわけではない。しかし、我々の認証パートナーは、確信をしない限りは、認証を与えない。もし結論が出ない場合、彼らが完全に確信できるわけでなければ、認証は与えられない」と、ファーマン氏は述べた。

年明け以降15ドルの料金

この新機能を利用するユーザーたちの数はすでに大きなものとなっている。メルカリの250万人の月間アクティブユーザーにこの機能が提供されてから3週間で、5000のハンドバッグが認証プロセスにかけられ、そのうち3500が認証された。年内であればこのサービスは無料で利用できる。新年からはアイテムひとつごとに15ドル(約1640円)が必要となる。

具体的な数字は明かさなかったが、認証サービスを導入して以来、購入客たちは非認証プロダクトよりも認証プロダクトを好むようになったと、ファーマン氏は語った。認証は小さなダイヤモンドのマークで表示される。

Danny Parisi(原文 / 訳:塚本 紺)