夜景モード改善された? 1億800万画素カメラ搭載「Mi Note 10」実機レビュー
スマホメーカーとして世界シェア4位のシャオミが、既報のとおり、1億800万画素のイメージセンサーを搭載した「Mi Note 10」を12月9日に発表、12月16日より出荷を開始します。筆者はすでにグローバル版を入手しているので、今回はファーストインプレッションをお届けします。
■まずはスペックのおさらいから

Mi Note 10はプロセッサーに「Qualcomm Snapdragon 730G」、メモリー(RAM)は6GB、ストレージ(ROM)は128GBを搭載しています。あとでベンチマーク結果もご覧いただきますが、処理性能的にはミドルレンジクラスに相当します。

一番右が「Qualcomm Snapdragon 730G」

しかし、スペック的にフラッグシップ端末から見劣りするのはそれぐらい。157.8×74.2×9.67mm/208gのボディーにはFHD+(2340×1080ドット、398ppi、輝度600cd/平方m、色域DCI-P3、コントラスト比400,000:1)の有機ELディスプレイが搭載され、その下部には画面内指紋センサーを内蔵。バッテリーも5260mAhと大容量です。

残念ポイントは、ワイヤレス(Qi)充電、Wi-Fi 6(11ax)、メモリーカード非対応、そしておサイフケータイ非対応などなど。他メーカーさんにも言えることですが、本気で日本市場に参入するならおサイフケータイにはぜひ対応していただきたいと思います。


本体前面と背面


本体上面と下面。下面には3.5mmイヤフォンジャックが用意されています


本体右側面と左側面。右側面のSIMカードトレイはnanoSIMカード仕様で、DSDV対応です

■背面と前面合わせて6つのカメラを搭載

さて、Mi Note 10一番のドヤりポイントであるカメラですが、下記のとおり背面に5つ、前面にひとつ搭載されています。

・108MP広角カメラ(25mm、ƒ/1.69、0.8μm、1/1.33インチ、OIS、7Pレンズ)

・20MP超広角カメラ(13mm、ƒ/2.2、1.12μm、1/3インチ、5Pレンズ)

・12MP光学2倍カメラ(50mm、ƒ/2.0、1.4μm、6Pレンズ)

・5MP光学5倍カメラ(125mm、ƒ/2.0、OIS、5Pレンズ)

・2MPマクロカメラ(f/2.4、1.75μm、3Pレンズ)

・32MPセルフィーカメラ(f/2.0、1.6 μm)

※「OIS」は「光学式手振れ補正」


左から2MPマクロカメラ、20MP超広角カメラ、108MP広角カメラ、12MP光学2倍カメラ、5MP光学5倍カメラ

このなかで最注目なのは、やはり108MP(1億800万画素)のサムスン製イメージセンサー「Samsung ISOCELL Bright HMX」を搭載した広角カメラ。高画素イコール高画質というわけではないことは重々承知しつつも、どのような写りを見せてくれるのかは興味津々です。

■Mi Note 10のカメラは伸びしろあるかも?

さて肝心のカメラ画質ですが、今回は手持ちのスマホのなかで最も画質がいいと思われる「Galaxy Fold」と比較してみました。「Galaxy Fold」には過去のレビューでお伝えしたとおり、「Galaxy Note 10+」にかぎりなく近いスペックのカメラが搭載されています。画質比較の「物差し」としては申しぶんないはずです。

なお、Engadgetのサイトの仕様上、元の解像度で画像を掲載できません。その代わりに拡大写真を掲載したので、そちらで画質の違いをご確認ください。それではまず108MP広角カメラで撮影した写真をご覧ください。


Mi Note 10の108MP広角カメラで撮影


Galaxy Foldの12MP広角カメラで撮影


左がMi Note 10、右がGalaxy Fold

縮小画像では解像感の違いはまったく判別できませんが、画面中央やや右下の案内板にぐぐっと寄ってみると、Mi Note 10のほうがディテールがしっかり残っているのがわかりますね。

つぎは10倍デジタルズームの画質を比較してみましょう。


Mi Note 10の5MP光学5倍カメラで10倍デジタルズーム撮影


Galaxy Foldの12MP光学2倍カメラで10倍デジタルズーム撮影


左がMi Note 10、右がGalaxy Fold

レンズの倍率はMi Note 10、解像度はGalaxy Foldのほうが上ですが、10倍デジタルズームの領域ではMi Note 10のほうが手すりや梁がしっかりと写っており、またボケも少ないですね。Mi Note 10の10倍デジタルズームは常用できそうです。

でも、色も画質の重要な要素です。


Mi Note 10の108MP広角カメラで撮影


Galaxy Foldの12MP広角カメラで撮影

Mi Note 10は強い色がフレームに入っていると、不自然な発色になることがありました。マニュアル撮影すれば色の転びは避けられますが、オートで実際の色に忠実に撮影できるのはGalaxy Foldであることは間違いありません。

最後に夜景モード(ナイトモード)を比較してみます。


Mi Note 10の108MP広角カメラで夜景モード撮影(記録解像度は6016×4512ドット)


Galaxy Foldの12MP広角カメラでナイトモード撮影


左がMi Note 10、右がGalaxy Fold

色は好みが分かれると思いますが、Mi Note 10のほうが白飛びが抑えられており、またノイズも少ないですね。色はあとから変えられるので、個人的に夜景を撮影するならMi Note 10を選びます。

でも、実は購入当初のMi Note 10のナイトモードはかなり厳しい画質だったんです。


Mi Note 10の108MP広角カメラで夜景モード撮影(記録解像度は6016×4512ドット)


Galaxy Foldの12MP広角カメラでナイトモード撮影

上の2枚は12月3日に撮影した写真ですが、Mi Note 10は盛大に白飛びしています。また夜空が入ると、暗所ノイズも多かったです。

しかし12月3日前後に配信開始されたファームウェアアップデートを適用したら、ナイトモードの画質が明らかに向上しました。「Samsung ISOCELL Bright HMX」を世界で初搭載したMi Note 10のカメラは、まだ伸びしろがあるかもしれませんね。

■AnTuTu BenchmarkのスコアはROG Phone IIの約53%

定番ベンチマークの結果は、「AnTuTu Benchmark」の総合スコアが「265405」、「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreが「1732」、「3DMark Sling Shot Extreme - OpenGL ES 3.1」が「2399」となりました。

12月12日時点のAnTuTu Benchmarkのランキング1位は「ROG Phone 2」で、スコアは「496662」。つまりMi Note 10はROG Phone IIの約53%のスコアということになります。

とは言え、108MPモードやナイトモードで撮影したときにはそれなりに待たされますが、一般的な用途であれば動作にストレスを感じることはないはずです。


ベンチマークは「特別な機能−ゲームターボ−ゲームスピードブースター」に登録したうえで実行しました

■フラッグシップ級のカメラ性能を備えたスマホを安価に入手したい方に

繰り返しますが、イメージセンサーの画素数がカメラの画質のすべてを決めるわけではありません。しかし今回実際に実機で撮影してみて、数値ほどの解像感があるかどうかは別にしても、細部を拡大してみればディテールの細かさに12MPカメラと大きな差があることはわかりました。

また、購入当初の夜景モードはイマイチでしたが、ファームウェアアップデートでまったく別物に進化していることも確認しました。フラッグシップ級のカメラ性能を備えたスマホをできるだけ安価に入手したいという方に、Mi Note 10は魅力的な選択肢であることは間違いありません。


シャオミ「Mi Note 10」52,800円(税別)