【凭れる】って読める?読めない!「読みたい漢字ファイル」vol.13
その言葉を単独で差し出されたら読める人はほとんどいないかも?という、読めないけど読めたら自慢できそうな“難読漢字”をクイズ形式で紹介していきます。
今回は「そろそろそんなシーズンですね」の、この漢字から。
いかがですか?これはちょっと見たことない!降参ですって感じですよね。
漢字を分解してみても「任」と「八」。「任八=にんぱち」?そんな先生いましたっけ?

「それは金八…」
読み方が全く想像もつかないということで、送り仮名に「れる」がついている言葉をいくつか言ってみればどれかあたりそうな… ちょっと推測してみましょう。
「在任期間八年、そろそろ交替してもいいだろう」なんてどこかの国のトップみたいな話ですが、任期八年は確かに長い、ということから「凭れる」=だれる?
「責任逃れと嘘八百」が「凭れる」=ばれる?
残念ながらどちらも違います。
というかすみません、任の下は八ではなくて「几」、かぜかんむり、つくえ、きにょうなどと呼ばれる漢字の部首なんです。「机」や「凡」などにも使われているものです。
「几」はこの一字だけで「つくえ」と読みます。日本古来の座卓のような、主に低い脚付きの台を表す漢字です。
そして「几」の上に乗っているのは「任」の字。この字を訓読みすると「まかせる」となります。
「机」に身を「任せる」… そんな意味から来る読み方なのでしょうか。

この体勢に注目を!
身を任せているのは机にではありませんが、この姿勢がまさに「凭れる」です。
じわじわと正解が見えてきたでしょうか?
正解は…

【凭れる=もたれる】です。
今回の漢字は、成り立ちから言うと、「二つ以上の漢字をあわせ、それぞれの意味を生かして新しい漢字を作った」会意文字というタイプになります。
そしてこの会意文字の場合、組み合わされた二つの漢字の元の読み方は残りません。なので「任=にん」も「几=つくえ、き」も、かすりもしない「もたれる」という読み方になっているわけです。
ちなみにこの「凭れる」ですが、なんと、「胃が凭れる」の場合にも同じ漢字を使います。これはなぜなのか、理由はみつけられなかったのですが、皆様くれぐれもこのパーティーシーズン、「胃凭れ」にはお気をつけください。
では、二問目です。

雨かんむりの漢字です。ということはおそらくお天気系ですね?
この「霙」も、一問目の「凭れる」と同じく会意文字に分類されるもの。「雨」と「英」の二つの意味からできた漢字です。
「雨」+英語の「英」だったら「レイン」じゃないの?ってそんなキラキラネームみたいな読み方ではありません…
ヒントは、「雪」や「霰=あられ」と同じく、空から降ってくる何か。他にもありましたよね?ここのところ寒いですし、もう降った地方もあるのでは?

どうでしょう、この寒そうな、雨と雪の間のあれ…
ではもう正解を見てみましょうか。
正解は…

【霙=みぞれ】です。
さて、なぜ「雨」+「英」でみぞれなのかという話。
「英」ってそういうイメージはあまりないのですが、くさかんむりが使われていることからもわかるように、実は「英」には「花」という意味があるんです。
「霙」という字は、雨から雪に変わる前の、キラキラした花びらのような状態を指しているんですね。なんてロマンチック♪
とは言えやはり「アナと霙(みぞれ)の女王」では締まりませんから、そこはやはり漢字のイメージ勝負ではなく、実際に降ってロマンチックな「雪」なんでしょうね。
なんて、映画を見に行く機会があれば、子どもにそんな漢字ウンチクを語ってみるのもまた一興。
それではまた次回をお楽しみに…
文/伊波裕子
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