記録的な暴雨をもたらした台風19号では、多くの人が避難所へ逃げたが、その最中に避難所へ入ることを拒否された人がいることを、中国メディアが報じた。(イメージ写真提供:123RF)

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 記録的な暴雨をもたらした台風19号では、多くの人が避難所へ逃げた。しかし、その最中に避難所へ入ることを拒否された人がいることを、中国メディア網易が報じた。

 日本はもともと地震など自然災害が多いため、国民の防災意識が高く、幼稚園や学校、企業でも頻繁に避難訓練が実施されており、各自治体でも防災食品・用品を備蓄している。しかし、台風が上陸しようとしている12日、台東区の避難所では2人のホームレスが、避難所への受け入れを断られた。ホームレスは北海道に住所があると言うが、都民のための避難所という理由で入る事ができなかったのだ。

 記事によると、そもそもホームレスには日本と中国での違いがあるという。中国では家も仕事もなく、精神疾患を抱えてゴミ拾いや物乞いをする場合が多い。しかし、日本での物乞いは法的に禁止されており、自らホームレスとして暮らすことを選択し、資源ごみを集めて現金に換え食べ物を買い、川沿いなどにダンボールやブルーシートで自作の家に住む人が多い。

 台風上陸時、避難所に断られたホームレスは、ビニール傘を差し建物の軒下で過ごした。すぐに「人権無視」と批判が殺到したが、「不安な気持ちで避難しているのに悪臭に耐えられない」など職員の判断を支持する意見もある。しかし、中国でこのニュースが伝わると、「日本にホームレスがいることを知らなかった」という驚きがある一方、「自己責任」という批判的意見が中国ネットユーザーには多いようだ。

 今回のような記録的災害が、またいつ起こるか分からない。日本は災害の度に強い家、街を造ってきた。今回もまた、河川の氾濫対策に加えて、ホームレスたちの保護や自立支援などの問題解決もまた求められる課題のひとつになった。(編集担当:三宅 真)(イメージ写真提供:123RF)