水を無駄にしない南アフリカの人々(画像は『News24 2019年9月27日付「WATCH | Innovative Joburg motorists turn burst water pipe into makeshift car wash」』のスクリーンショット)

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南アフリカ人はアパルトヘイトという過酷な弾圧を乗り越えただけあって、マイナスをプラスに変える発想があるのかもしれない。ヨハネスブルグの都市サントンで撮影されたある動画が投稿され、話題になっている。『News24』などが伝えた。

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9月26日のこと、ランチ休憩を取っていたデズモン・マシェレさん(Desmond Mashele)は不思議な光景を目にした。道路の脇から勢いよく水が出ており、その先には車がいろんな角度で水を浴びていたのだ。この水は消火栓が何らかの理由で噴出したもので、水を無駄にしない南アフリカの国民性もあり「ちょうど洗車に良い水圧」とこぞって利用したのだった。オフィスの窓からその様子を見ていたマシェレさんも、自分の車を洗うために列に並び、その様子を同僚に撮影してもらったそうだ。

洗車の列は一時、渋滞が発生するほどだった。というのも車の片側を洗った後、向きを変えて反対側を洗うため、路上で方向転換しなければならないからだ。ミニバスタクシーのような大型車は、車を前後に動かして洗う光景も見られた。ガソリンスタンドなどで洗車をしてもらうと200ランド(約1400円)以上かかるが、これなら無料で汚れを落とせるというわけだ。

車内からの様子を撮影したマシェレさんは「すごく楽しい体験。車もきれいになったよ」と満足げに明かしており、さらに政府の汚職や犯罪率の増加などのニュースが多い南アフリカにおいて「こういった不幸の中でも楽しめる国民性は心が温まるね」とも述べた。

ヨハネスブルグ水道局のエレノア・マヴィンベラさん(Eleanor Mavimbela)は後日、水道管破裂の修理をしたために消火栓の水を噴出する必要があったと説明している。

画像は『News24 2019年9月27日付「WATCH | Innovative Joburg motorists turn burst water pipe into makeshift car wash」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 FLYNN)