最新スマホのストレージは大きすぎる! 安全・安心なデータ移行はパソコン活用だ

写真拡大 (全3枚)

スマートフォンの買い替えで、もっとも多いトラブルが、以前のモデルでのバックアップや新しいモデルへのデータ移行です。
多くの人が「正しいやり方を知らない」ことから「自分ではできない」というケースが多いようです。

実は最近のスマートフォンの多くは
・インターネット上に自動的にバックアップが行われている
・ケーブル一本で、新旧スマホを繋げばデータ移行ができる
このように以前に比べると、新モデルへの移行は、親切かつ簡単にできるようにもなっています。

ですが問題が発生するケースもあります。
たとえばApple社の iPhoneは、iCloudに自動でバックアップをしてくれるものの、無料でバックアップできる容量は最大5GBと小さく、アプリ設定は引き継ぎできても、これまでに撮り溜めた写真すべてはバックアップされていなかった…なんてこともあるようです。

また、インターネット上へのバックアップや、インターネット経由での復元・データ移行には時間もかかります。
現在のスマートフォンのストレージは128GBや256GBと、一昔前とは比べものにならないほど大容量になっています。当然、現在使用中のスマートフォンのデータすべてを移しきるにはかなりの時間がかかります。

そこでオススメなのが、
昔ながらの「パソコン」を利用したバックアップやデータ移行です。
ところが、ここにも落とし穴があるのです。


○スマートフォンのバックアップ方法


スマートフォンのストレージ容量は、ここ3〜4年で一気に大容量化しています。
iPhoneも2年前のiPhone 8以降、最も容量が小さいモデルでも64GBです。
Androidスマートフォンも、多くのモデルで64GBや128GBになっています。
なかにはパソコンなみの512GBなど、少し前では考えられないほど大量のデータが保存できるモデルも登場しています。

これだけ容量が大きくなると、冒頭にも書いた通り「いつの間にかバックアップしてくれる」ことが便利なクラウドストレージへのバックアップでは容量が足りません。

そもそもバックアップとは、
「データ移行のため」ではなく、
「ある日突然、故障や破損してもデータを守る」
そのためにしておくものです。

大容量スマートフォンのデータをバックアップするには、無料で利用できるクラウドストレージでは容量が足らず、クラウドストレージの有料プランを選択しなければなりません。

また、クラウドストレージへのバックアップは写真や動画など、容量の大きなものをバックアップするにはWi-Fi接続が必須になります。
自宅にWi-Fi環境がなく、モバイル通信しか利用できない場合は、すぐに通信制限の上限に達してしまいます。

そこで活用したいのが「パソコン」です。
たとえばiPhoneであればパソコンとUSBで接続し、iTunesで簡単かつ高速にバックアップができます。
Androidの場合も、USBケーブルで繋ぐことで写真などは簡単にパソコンに保存できます。


○まさかの、パソコンの容量が足りない?


パソコンをスマートフォンのバックアップに活用する。
通信費も、クラウドストレージの追加費用もかからないナイスな方法です。
しかし、そんなパソコン活用にも、実はこんな落とし穴があるのです。

それはクラウドストレージ同様に「容量不足」です。

ここ数年はAppleのMacBookシリーズのように薄いノートPCに人気が集まっています。
こうした薄型ノートPCは、ストレージ容量が128GBや256GBと少なく、スマートフォンのバックアップをしたくても、容量が不足する可能性があるのです。

また、スマートフォンの普及によりパソコン自体の出番が減ったことで、古いパソコンを未だに使っている人も多いでしょう。
Windows 7やWindows 8など5年〜10年経過しているモデルは、ストレージ容量が500GB前後のものが多く、スマートフォンのデータをバックアップするには容量が不足する可能性があります。

もっといえば、こうした古いパソコンの場合、OSのサポート期間も終了しているため、今後も継続して利用するにはセキュリティ上の不安もあります。
また、iTunesなどバックアップに必要なソフトのサポートも終わってしまい、利用できなくなる可能性もあります。

「スマホのバックアップのためだけに、パソコンを買い替えるのは勿体ない」

こう考えてしまいがちですが、肌身離さず、場所を問わず利用するスマートフォンだからこそ、日常的にバックアップを取っておく方がいいでしょう。
ましてや、今後さらに容量が大きくなっていったとき、バックアップをしっかり取っていなければ、万一の場合に失うデータは今までよりも増えます。

初期のスマートフォンはクラウドへのバックアップ機能などは有していないことで「パソコンがなければ利用できない」と、購入時に案内があるなどパソコンとは切っても切り離せないものでした。

一方で、最近のスマートフォンは高性能になり、「パソコンがなくてもスマートフォンだけでできる」ため「パソコンは不要」と考える人も増えています。

しかし、今回紹介したバックアップやデータ移行など、まだまだスマートフォンとパソコンは切っても切り離せない存在であるのは明らかです。

スマートフォンのデータをフルバックアップするためにするクラウドストレージ有料プラン(1TBや2TB)にすれば、毎月1,000円以上の料金がかかります。
2年から5年は使えて1TBや2TBストレージ容量を搭載したパソコンが5万円代から購入できる現在なら、スマートフォンのバックアップ活用と合わせて購入しても決して損ではないはずです。

これからスマートフォンの買い替えを検討している場合、買い替えに前後して準備として必要になる「バックアップ」について、パソコンの買い替えも検討してみてはどうでしょうか。


執筆 迎 悟