自分の顔写真を1枚アップロードするだけで、映画やテレビ番組の1シーンに自分の顔を当てはめるディープフェイクムービーをiPhone上で簡単に作れるアプリ「ZAO」が中国で公開され、中国向けiOS App Storeで無料アプリ人気ランキング1位を獲得したと報じられています。

Another convincing deepfake app goes viral prompting immediate privacy backlash - The Verge

https://www.theverge.com/2019/9/2/20844338/zao-deepfake-app-movie-tv-show-face-replace-privacy-policy-concerns

Chinese deepfake app Zao sparks privacy row after going viral | World news | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2019/sep/02/chinese-face-swap-app-zao-triggers-privacy-fears-viral

実際にZAOを使って俳優のレオナルド・ディカプリオに顔を合成したディープフェイク映像を作成する様子を、以下のムービーで見ることができます。



映画「ロミオ&ジュリエット」でロミオを演じるレオナルド・ディカプリオ。左下に男性の顔写真が読み込まれています。



ディカプリオの顔に走査線が流れて……



左下の男性の顔がディカプリオの顔に置き換わりました。顔が入れ替わってもたばこをくわえている様子に違和感はなく、写真を単純に合成しているだけではないことがわかります。ムービーをツイートしたAllan Xia氏によると、1枚の写真からこのディープフェイク映像を作成するのにかかった時間は8秒以下とのこと。



ただ貼り付けているわけではないので、表情も読み込まれた顔写真とは全く違うものとなっています。



合成した部分に継ぎ目はなく、何も知らずに見たら「ファンによるコスプレ再現ムービーでは?」と思ってしまいそうなほどのクオリティ。



「教会で花嫁としてジュリエットをスーツで迎えるロミオ」という名シーンも、ディカプリオではなく全く知らない男性が演じているようにみえます。





ほとんど顔が見えないような暗い場面でも、しっかりと顔が入れ替わっていました。



Bloombergによると、ZAOは2019年8月30日(土)に無償でリリースされたとのこと。中国でのスマートフォンアプリのランキングでは、2019年9月2日時点で無料アプリランキングの1位に輝いています。



Bloombergの報道によると、ユーザーが同意しなければならないZAOのプライバシーポリシーには「ユーザーが作成したすべてのコンテンツに対して、開発者が権利を保有する」と記されていたとのこと。そのため、「ZAOで作成されたディープフェイク映像がユーザーの同意なしに使用される可能性がある」と批判が集中し、ZAOの開発会社であるMomoはライセンスを急きょ変更。「ユーザーがデータを削除すると同時にサーバーからもデータが消去される」と発表しました。

なお、2019年7月には顔写真を老化させたり若返らせたりすることが可能な人気アプリ「FaceApp」が、「ユーザーがアップロードした顔写真をサーバーに保存したままにしている」と報じられ、問題視されています。

顔写真を老化させたり笑顔にできたりする「FaceApp」がユーザーの顔写真をサーバーに保存している - GIGAZINE