2日、いよいよ始まる2022年カタールワールドカップ予選に向けて日本代表の合宿がスタートした。練習後、長友佑都が記者たちの質問に答えて心情を語った。

「いつ呼ばれなくなるかもわからないというところで危機感もあります。どう自分が残っていくか貢献してアピールしていきたい」

だが長友は自分だけが代表に生き残ればいいという選手ではない。

「みんな最初に上手くいかないとナーバスになってきて、焦ってというのが見えてくると思います」

「自分の経験を伝えていきたい」

そうやって全体のレベルアップも狙っているのだ。そんな長友が伝えようとする経験は、後輩選手たちの心にどう伝わっているのだろうか。

まだ代表歴が2試合の橋本拳人は3月、「いろんな経験をしている選手はオーラが違う」と長友の名前を挙げ、まだ話しかけられないと語っていた。その後、長友は橋本が遠慮していると聞き、自分から話しかけに行くなどしたらしい。

先輩が後輩に話をする、というと威圧的にも捉えられそうだが、そうではないようだ。橋本は言う。

「パワハラみたいなのはないです(笑)。すごく優しくて。みんな優しいんですよ。先輩風を吹かせる人はいないんです」

では話しかけられたときにどう感じていたか。

「会うのは2回目なので、少しずつ話せるようになってきました。いろんなものを吸収したいと思うし、自分の身になると思うので。プレーを見るのもそうですけど、一緒にプレーしたり話をしたりして感じたいと思っています」

体験することや経験談は大いに役立つという。そこで得たものを生かせるかどうかも、日本代表に留まり続けるために必要となっている。

【テキスト:森雅史/日本蹴球合同会社】