湘南vs藤沢翔陵
相模原球場の第2試合は、第3シードの古豪、藤沢翔陵と、名門、湘南の対戦。
気温27.8℃、南南東の風2.1m/s。第2試合は、打者にとって向かい風。日差しが強くなり、ようやく夏らしい陽気となってきた。
湘南の先発は、右サイドスローの大川。キャッチャー側から見てプレートの右端に立ち、インステップして投げ込んでくる。その大川に対し、藤沢翔陵は初回、先頭の稲垣が3遊間の深いゴロを打ち、内野安打で出塁するかと思われたが、ショート森本の好守備でアウト。続く2番松原がレフト前ヒットで出塁し、盗塁でランナーを3塁まで進めるが、得点ならず。また続く2回も8番前島の右中間3塁打でチャンスを作るが、後続が三振に倒れ、またも無得点。３回にも、湘南のショート森本は、３番深沢のセンターに抜けようかという打球を横っ飛びで好捕してアウトにするなど、固い守備で大川を助ける。
すると、今度は湘南にチャンスが訪れる。3回まで藤沢翔陵の先発橘に、1番堀江のレフト前ヒット1本に抑えられていた湘南は、4回裏、2死後、4番三好が1塁線へのヒットで出塁すると、続く5番森本の打球はセンター前にポトリと落ちるヒットとなって、ランナー1、3塁とチャンスを作ると、バッターは6番三上。カウント1ボール1ストライクから右中間に鋭い打球を放つ。打球はセンターのグラブに収まったかに見えたが、ライトと交錯して落球。記録はヒットでランナー2人が生還し、湘南に貴重な2点を先制する。
その後、藤沢翔陵は投手を戸田、上澤とつないで湘南に追加点は許さず、一方、湘南の大川もコーナーを丹念につく粘投。大川は集中力を切らさず、最終回も4番から始まる藤沢翔陵打線を三者凡退に抑えてゲームセット。湘南が藤沢翔陵との投手戦を2−0で制し、ベスト16進出を決めた。
湘南の先発、大川は球威こそないものの、ベースを広く使い、緩い球を丁寧にコーナーに投げ分けて、被安打4の完封勝利。ワンチャンスで手にした2点を守り切り、シード校を破る健闘。一方、藤沢翔陵は、ヒット性の打球の数は湘南を上回っていたが、湘南の堅い守備陣の好捕に阻まれ、また打球が野手の正面をつくなど、やや運も無かった。 勝った湘南は、5回戦でいよいよ東海大相模と対戦する。
(文＝松田 祥二郎)
