「彼女とは、相性が合わない・・・」。女が旅先でした行為に、男が愛想をつかしたワケ
恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。
せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。
仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。
しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。
どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。
今回は楽しかった旅行後に振られた理由とは?という宿題を出していた。
彩音(あやね)との交際は、順調だった。可愛いし、一緒にいると楽しいし、このまま結婚しても良いかなぁと考えていたくらいだ。
だが、今回の旅行で、「この子との結婚はない」と悟ることになる。
楽しいはずのバリ旅行。だが今回の旅行は、彩音の良い部分よりも、むしろ嫌な部分が目についてしまったのだ。
◆
「ねーねーせっかくお休みが取れるなら、どこかへ行こうよ」
彩音からそう提案された時、僕は乗り気だった。
「いいね、せっかく三連休もあるし、前後に有給取ってどこか行くか。彩音はどこか行きたいところあるの?」
「バリに行きたい!!」
こうして決まった今回の旅行。日にちも迫っていたのでササっと日程を組み、彩音の分の飛行機も僕が取ってあげることにした。
出発前の段階では僕も楽しみだったし、普段東京でデートしている分には、彼女の欠点は気になっていなかった。
しかし旅行へ行き、彩音の色々な行動が目につくようになってしまったのだ・・・。
旅行中に彩音がしてしまったNG行為とは?
解説1:微妙なテンションの差が気になる・・・
-旅行初日-
フライトを終え、バリの空港に着いた時にはもうすっかり夕方になっていた。しかし、彩音も僕も案外元気だ。
「ビジネスクラス、嬉しい!本当に、ありがとう」
もちろん、折半して払ってくれるような女の子は大歓迎だが、彩音にそこまで余裕がないことは知っている。
だからこちらが多く払うのは当たり前だと思っていて、今回そこはあまり気にしていなかった。
「うん、マイルが余ってたから」
そんなことを言いながら、僕は空港前のタクシーの呼び込みの人たちをかわす。バリには何度か来ており、だいたい勝手はわかっている。事前にお願いしておいたホテルの送迎車を見つけ、その車にさっさと乗り込んだ。
「How was your flight ?」
「Not bad….」
運転手と英語で少し会話をしていると、彩音が目をキラキラさせている。僕は帰国子女で、しかも仕事も外資系証券会社のため、英語は問題なく話せるのだ。
そういえば、彩音は英語が話せないと言っていたっけ。そんなことを思い出しながら、ホテルへと向かった。
「夕飯、どこか行きたい所あるの?」
ホテルに着き少し部屋でのんびりしていると、お腹がすいてきた。何も決めていなかったので、彩音に聞いてみると、彼女なりに行きたいお店があったようだ。
「うん!知り合いの子がInstagramにあげていたお店で、すごく気になっている所があって・・・」
「へ〜。どこどこ?」
彩音から見せられた画面には、可愛らしいお店が写っていた。
女性がSNS好きなのは知っている。それに、旅行に来たら写真も撮りたいだろう。
幸い、彩音はインスタグラマーのようにどこでも写真を“撮って撮って”と言わないため、この行動もあまり気になっていなかった。むしろ行きたいところを提案してくれて、嬉しかったくらいだ。
だが僕が気になったのは、これとは別の行動だったのだ。
「OK。じゃあ今夜はここにしようか」
「あ、でも予約してない。人気店だから、予約はしておいた方がいいかも。だけど英語話せないしなぁ・・・」
「そっか。じゃあとりあえず電話してみるか」
さっそく僕が電話をして予約し、Uberで店まで向かう。店へ到着した彩音は、ものすごくテンションが高かった。
「やっぱり本場で食べるナシゴレンは違うね〜!!ね、大貴、そう思わない?」
「そうか?まぁ雰囲気があるかな」
「このチキンサテーも美味しい〜!!」
ひとつひとつに大げさなくらい驚く彩音。
-この子、もしかして海外慣れてないのかな?
僕はもともと海外に住んでいたこともあるし、別にバリが珍しいわけでもない。微妙なテンションの差を感じ始めたのだが、まだ初日だ。こんな文句を言っている場合ではない。
「明日、何しようね〜大貴何かしたい事ある?」
「せっかくヴィラを取ったんだし、ゆっくりでもいいんじゃない?」
「そうだね。でもせっかくだから何か楽しい事したいよね!」
こうして初日は過ぎていった。しかしこの後、2日目、3日目と経つにつれ、どんどん彩音の行動に耐えられなくなっていったのだ。
旅行中に明確になってしまった、相性問題とは・・・?
解説2:主体性のなさと、頼りすぎな部分が目についてしまう。
-2日目-
翌朝、8時頃に目が覚めた僕は、隣に寝ている彩音をつついてみた。しかし幸せそうにいびきをかいて寝ており、起きる様子はない。
仕方なく僕は起こすのを諦め、一人で敷地内にあるジムへ行き、一汗流すことにした。
そしてスッキリして部屋へ戻ってシャワーを浴びていると、ようやく彩音が起きてきた。
「もうジム行ってきたの?さすが、早起きだね・・・」
-え?早起きか・・・?
時計を見ると、時刻はもう10時を過ぎている。
「早起きではないよ〜。彩音が寝てるから、一人でジムでも行こうかと思ってさ」
しかもただ、起きるのが遅いだけではなかった。
彩音は、準備も遅いのだ。
こちらは出かける準備ができているのに、ゆっくり起き上がり、トロトロとシャワーを浴びる彩音。
東京にいる時にはあまり気にならなかったが、“せっかく旅行に来ているのに、時間の無駄遣いだなぁ”とつい思ってしまった。
そして次の行動に、僕は更に引いてしまった。
「大貴、これ壊れてるかも・・・」
どうやらドライヤーの電源がつかないらしく、困った顔をしてこちらにドライヤーを持ってきた彩音。
「あれ、本当だ。ドライヤー動かないね。新しいの持ってきてもらうか」
「ごめん、頼んでもらってもいい?」
-え・・・?そんなことも自分でできないの?
思わずそう言いそうになってしまった。この旅に来てから、基本的にすべて僕が注文や手配をしている。
英語が話せないのは仕方のないことだが、努力すれば旅行に使うような英語くらいは話せるだろう。
しかも“ドライヤーを交換してください”くらい高校生でも言えるはずだ。
何もかも任せてくる彩音に対して、段々“めんどくさいなぁ”という感情が湧いてきてしまった。
「で、結局今日どうしようかね」
「ねー何しよう」
相変わらずおっとりしており、特に何も考えていなさそうな彩音。彼女が“バリへ行きたい”と行ったのに、行きたい場所は昨日のレストランだけだったのだろうか?
「彩音、ビーチクラブとか行きたい?」
バリには幾つかの有名なビーチクラブがあり、プール内でお酒が飲めたりDJが入ったりして、なかなか楽しいのだ。きっと彩音も好きに違いない。
そう思って提案したのだが、彩音は既に知っていたようだ。
「ビーチクラブ??もしかしてここのことかな?」
そう言いながら、彼女は僕にInstagramを見せてくる。
-行きたいところがあるなら、言ってよ・・・
英語だけでなく、行く場所でさえ僕に任せっきり。行きたいところも言わず、ダラダラとお昼まで寝ている彩音に対し、僕は徐々に価値観のズレと、相性の悪さを感じ始めた。
◆
「あ〜ようやく帰ってきた。何か疲れたね」
成田空港に降り立った時、つい本音が漏れてしまった。
結婚するならば、旅行以上にずっと一緒にいることになる。今回の旅行で、仮に結婚したら僕の負担がものすごく大きいことが容易に想像出来てしまった。
男女の相性というのは、何も体のことだけではない。価値観や生活習慣、それにちょっとした気遣いのレベルも含まれていると思う。
「別れようかな・・・」
こうして、僕はこの旅行の一週間後、彩音に別れを切り出したのだ。
▶NEXT:7月20日 土曜更新予定
こんなにも愛していたのに、何故彼女は逃げたの?