レモンツリー が経営していた店舗(帝国データバンク撮影)

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性急な店舗拡大に人材育成が追いつかなかった

 (株)レモンツリー(TDB企業コード:580917289、資本金1000万円、大阪府藤井寺市岡2−12−5、登記面=大阪府羽曳野市羽曳が丘5−19−24、代表平田惠三氏、従業員30名)は、5月27日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同月28日同地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 申請代理人は坂川雄一弁護士(大阪府大阪市北区西天満4−8−17 宇治電ビルディング11階、はばたき綜合法律事務所、電話06−6363−7800)ほか2名。破産管財人には軸丸欣哉弁護士(大阪府大阪市中央区北浜3−6−13日土地淀屋橋ビル、弁護士法人淀屋橋・山上合同、電話06−6202−4446)が選任されている。

 当社は、1976年(昭和51年)10月創業、78年(昭和53年)11月に法人改組。リングやネックレス、ブレスレットなどのアクセサリーや雑貨の小売を手掛け、全国の商業施設やショッピングモールなどに5坪〜10坪のテナントショップを展開していた。自社オリジナルのシルバーアクセサリーを主体に、女性向けアクセサリー・ジュエリーブランド「Lemontree」、メンズカジュアルジュエリーブランド「SWC」、月をモチーフにしたメモリアルジュエリーブランドの「luna-di-miele」など7つのブランド名で全国に出店し、中高生から30代の女性まで幅広い層からの人気を獲得。商業施設や百貨店を中心に69店舗を展開するまでに成長した2008年5月期には年売上高約18億9600万円を計上していた。

 しかし、性急な店舗拡大に人材育成が追いつかず、複数の店舗で売上げが伸び悩み、不採算店が増加。拡大路線からの変更を余儀なくされ、店舗を次々に閉鎖していた。これにより売上高は漸減するとともに、店舗閉鎖費用は重く収益面は悪化。2016年7月には金融機関へリスケを要請し、役員報酬や人件費などを削減して資金繰りの改善を図っていたものの、売上げ回復には至らず、約20店舗まで規模を縮小。2018年8月期(決算期変更、8か月決算)の年売上高は約3億7600万円にまで落ち込み、収益面も5期連続営業赤字を計上するなど事業再建が見込めないことから、今回の措置となった。

 負債は申請時点で約13億1000万円。